家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
最近の楽しみは、読書と映画。
本は子供のころから大好きなので
常に、何冊かを同時進行で読んでいるのですが
映画の方は、ものすごく波があって
その時々で、めちゃめちゃ映画を見たい時と
それほど、映画を必要としない時があるんです。
その波が、どういうきっかけてやってくるのか
自分でもわからないのですが
今、映画の波が来ています。
最近は、樹木希林さんが出ているものを
とにかく、手上がり次第見ている感じ、
樹木希林さんが出ておられるだけで
映画に何とも言えない雰囲気が出て、
心の深いところにさわさわと柔らかく感じるものがあるから不思議。
「日日是好日」
この映画もそうでした。
まじめだけが取り柄の典子(演じている黒木華さん、すごくいい!!)が
ふとしたきっかけで茶道を習い始め
雨の日も、風の日も
就職試験に落ちた日も
いとこが結婚した時も
フィアンセに裏切られて、婚約解消になった時も
ただただ、茶道のお稽古に通い続けるという
大まかなストーリーは、それだけなんです。
樹木希林さんは、そのお茶の先生。
そんなに大きな事件も、ストーリー展開もないし
淡々とお茶を教えておられるだけなんだけれど
何とも言えない存在感があるのは、さすがです。
一番心に残ったシーンは
典子のお父さんが突然亡くなり
一か月ほどお稽古を休んでいた典子が
もう一度お茶のお稽古に行った時。
仕事も、恋愛も、今一つぱっとせず
不器用な生き方しかできず、
このままお茶を続けても意味がないんじゃないかと
落ち込む典子に、先生が一言。
いつやめてもいいじゃない
ただ、おいしいお茶を飲みにくればいいじゃない。
何気ないこのセリフの中に
温かさと、やさしさと、強さと、深さがある。
タイトルの「日日是好日」というのは、禅の言葉で
今日はいい日だとか、悪い日だとか
そういうこだわりを捨てて
ありのままを受け入れて生きなさいという、
そういう境地を説いた言葉だそう。
つまり、この樹木希林さん演じる先生のこのセリフは
このことを言っているわけで
この言葉、
樹木希林さんの口から発せられると
こんな何気ないセリフの中に深い真理が感じられ
もう、じわじわ心に響きました。
すごいです。
この言葉は、
映画の中では、主人公の典子さんに向かって発せられているのですが
見ている私に、言って下さった気がして
泣けました。
そうですよね。
ありのままを受け入れて生きることで
毎日が好日になる。
本当にそうですね。
難しいことなんて、考えなくてもいい。
こういう何気ない言葉やシーンに
元気をもらえる、それが映画のいいところ。
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