でいりいおくじょのBLOG

2016.06.22

読書日記「梅棹忠夫の京都案内」&鶏の京風甘酢あんかけ

京都で過ごした年月と東京で暮らした年月が

だんだん等しくなりつつあります。

けれど、京都を離れてからのほうが

京都をもっと知りたいと思うようになり
 

京都のことがますます好きになっています。

京都に関する本も、

京都で暮らしていたら、そんなに手に取ることはなかったかもしれませんが

離れているからこそ、京都のことをもっと知りたくて読んでしまいます。
 

今日読んだのは

「梅棹忠夫の京都案内」(梅棹忠夫著 角川選書)
 

この本は、京都出身の民俗学者、梅棹忠夫さんが、あちこちで京都について書かれた文章を一冊にまとめた本。
1987年出版ですが、文章が書かれたのは、1951~1965年ということなので

半世紀以上前ということになります。
 

京都の歴史や、名所旧跡について書かれている部分は、古くなるはずもなく

むしろ、広くて深い歴史の知識と、文章力と、俯瞰で物事を見る的確な距離感と

さすがに頭の良い方が京都案内を書かれたらこうなるのか、と感心するような読みやすさと面白さでした。
 

中でも特に面白かったのは、京都言葉に関する考察。

これが、本当に面白くて、面白くて。

嘉門達夫さんの「関西キッズ」という曲(?)を彷彿させます。
 

(この曲(?)は嘉門達夫さんが、関西弁の正しい発音のお手本を示してくれて

まるで英語の教材のように、それを生徒みたいな人が発音するというようなコンセプトで

ばかばかしいんだけど、めちゃめちゃ笑えます)
 

この本に、詳しく書かれていますが

一音の名詞の発音は特に難しいですね。

標準語だったら「目」は「め」で、終了ですが

関西弁になると、めぇ↑となる。

音が伸びて語尾が上がる。
 

ところが

「歯」は、はぁ↓となって、語尾は下がるんです。
 

手は、てぇ↑

毛は、けぇ↓

火は、ひぃ↑
 

語尾を延ばして、揚げるか下げるかすればいいのかというと、そうでもなく
 

蚊は、かぁ→

血は、ちぃ→

まさかの、上りも下がりもせんと、そのままのばすだけ。

しかも、音が中途半端な半音みたいな変な高さのところで伸ばす
 

さらに、二音になると

春は、はる↑ぅ↓・・・・・るで上がって、うで一気に下がるんです。
 

名詞だけでも、マスターするのが結構難しい。
 

そのほか、京都言葉の、言葉のちぢめ方とか

例:早く行こう→はよいこ

  白くなった→白なった
 

形容詞を、二回重ねて言う傾向があるとか

例:大きい犬 →大きい大きい犬

 :古い洋服 →古い古い洋服 
 

京都人あるある。
 

相当、詳しく考察してあり

京都人なら、間違いなく、おおーそうそう、そんな風に言う言う

と、相当楽しめました。

この本だけで、京都言葉をマスターできるかどうかは疑問ですが

この京都言葉の部分だけでも、相当面白いので、おすすめです。
 

*****************
 

さてさて、今日は、先日京都で食べた鶏の甘酢あんかけを作りました。
 
 

鶏肉はいつもよりしっかり目に味をつけ、

衣は、薄いあんがうまく絡むようにしっかりと厚めにつけて、かりっと揚げます。
 

それに対して、甘酢のほうは、酢を少なめ、

全体に調味料を控えめにして、あくまで鶏のから揚げ自体の味を引き立たせるように。
 

本の中で梅棹氏が

「江戸のつけ味、大阪のだし味、京のもの味」

という風に書かれているけれど
 

確かに、京都は調味料の味で食べさせるのではなく、

素材の味を最大限に引き出して、おいしく食べさせる料理ですね。
 

一般的な鶏の甘酢あんかけだと

鶏のから揚げの味付けはあくまで控えめにしておいて

しっかり味のからませることで、鶏のから揚げにしっかり味をつけますが

それは、東京のつけ味的発想。
 

それに対して、

鶏のうまみを引き出し、空揚げ自体のおいしさを味わうために

から揚げだけでおいしく食べられる味付けに仕上げ

あくまで、あんは、空揚げのおいしさを引き立たせるように作る、

これが京都の料理の発想ですね。
 

実際作ってみると

普段は、あんの味で味をまとめていたので

結構、味の足し算と引き算が難しかったのですが
 

味の強弱を逆にすることで、確かに

鶏のうまみと、空揚げの香ばしさは、確かにこれのほうがしっかり感じることができました。
 

すごい!!
 

今回の、京都散策で

京都の新しい味の組み立てを再発見でき

まだまだ、自分の知らない食の世界があることにワクワクしつつ

自分の味覚や、感覚の中にある京都の味をもう一度再確認することで

新たな料理の世界が広がる予感がしています。
 
 

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