でいりいおくじょのBLOG

2020.03.29

映画日記「彼と彼女のセオリー」

前から見たかった映画を、ようやく見ることができました。

 

「彼と彼女のセオリー」

 

車いすの天才科学者として有名なホーキング博士の半生を描いた作品で

エディー・レッドメインの演技のすばらしさも話題になりました。

 

物語は、ホーキング博士が、ケンブリッジ大学の学生だったころから始まります。

 

その頭の良さは秀でていて、先生にも一目置かれる存在。

プライベートではジェーンとの恋もうまくいき始めたとき

突然ALSを発病し、余命2年と宣告されるのです。

 

だんだん、体の機能の失われていく中で

ジェーンと結婚、子供も生まれ

彼の研究は、どんどん完成されていきます。

 

けれど、少しずつ少しずつ、いろんなことが変わっていく。

 

彼の病状もどんどん進行していくし

それを一人で介護するジェーンも変わっていくのです。

 

夫のホーキング博士の研究がいかに偉大であり

彼の残した業績のすばらしさも十分頭で理解もし、

実際彼女自身もそれを理解するために、勉強もし、努力も、我慢もした

 

けれど、彼のやっていることを理解しようとすればするほど、

どうしようもない苛立ちに襲われてしまう。

 

結局、つまるところ、物理学は神の存在を否定することになり、

敬虔なクリスチャンであるジェーンを苦しめることになったことは、間違いありません。

 

しかも、

覚悟はしていたはずなのに

やっぱり自分のやりたかった研究をやれないジレンマや

普通の幸せを求める気持ちなど

捨てきれないものがたくさんあることに気づき始めるのです。

 

誰も悪くなく

誰にも、どうすることもできない現実に

息がつまりました。

 

この映画を見て、時間というものについて、いろいろ考えました。

 

時間に終わりがあるという事は、

絶望でもあるけれど、希望でもある。

命に限りがあるからこそ、

人は頑張れたり、我慢できたりできるのは事実だと思います。

 

でも、耐えられたり、それにささげたりできる時間の長さって

一人一人違うから

最初余命2年といわれていた時間が、2年でなくなり

その終わりが見えなくなってきたとき

心の中に、いろんな迷いや苦しみが生じたととしても、それは仕方がないと思う。

 

宇宙を基準にすれば

人間の時間なんてあっという間かもしれないけれど

現実に生きている人間にとっては

毎日毎日が現実で、

自分の人生は、限られている。

 

だからこそ、その限られた時間のなかで

やり直し、方向転換して、修正してもいいんだと思う。

 

途中で、生き方を変えたところで

それまで積み上げた時間が終わるわけではなく

時間はずーっとつながっていて

自分の時間が終わっても、やっぱり時間はだれかによってつながっていく。

 

余命2年といわれたホーキング博士が

長生きして、素晴らしい研究を残し

おなじようにジェーンも子供たちも、それぞれに幸せになった。

そうやって、みんなが自分の時間を大事に生きて、それぞれにつながっていくのは理想的だなって思ったし

本当に最後は良かったなって思いました。

 

時に軌道修正しながら、

自分の時間を大切に生きたいなあって、思えた映画でした。

 

 

2020年3月28日映画彼と彼女のセオリー

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