家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
まだ子供が小さかった頃
野菜を育ててみようと思い立ち
園芸店の種売り場に連れて行って
「さあ、どれでも好きなものを選んでいいよ」
と言ったら、
あろうことか、そろいもそろってごぼうを選んだ、わが家の子供たち。
二十日大根とか、ミニキャロットとか、
せめて、小松菜とかチンゲン菜とか
そういうかわいらしいものを選ぶだろう、普通は。
いやいや、それは大人の常識。
子どもの無垢な好奇心を、こんなことで台無しにしてはいけないと頑張ってみたけれど
結局、家庭用のプランターでごぼうは育たないという事実を学習して終わった奥薗家でした。
さて、そんなごぼう。
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらもバランスよく含まれているし
腸内の善玉菌のえさとなるオリゴ糖も豊富なので
腸内環境にとっては、心強い味方なのです。
それだけでも十分、ゴボウをせっせと食べる理由になるんだけれど
数年前から注目されているのが、ゴボウポリフェノール。
ポリフェノールですから、抗酸化作用があって、アンチエイジング効果があるらしい。
そのポリフェノール、皮の部分に大量に含まれていて、
しかも水溶性なので、水にさらすと溶けだしてしまう。
そうなると問題になるのが、皮をむくか、むかないか、
水にさらすか、さらさないか。
最近のごぼうは、昔に比べて香りもアクも少なくなったことも影響して
皮はむいたほうがいいとか、むかないほうがいいとか
さらすのは水が酢水か
そもそも水にさらしたほうがいいのか、さらさないほうがいいのか
いろんな意見が飛び交うようになりました。
野菜でも肉でも、皮と実(身)の間というのは、栄養分を蓄えるところなので
皮ごと食べるほうが、うまみ的にも栄養的にもいいんですね。
でも、ゴボウの場合、泥がついているし、きれいに洗っても皮が黒いから
どの程度洗えば、この皮が食べられるのか、ちょっと迷いますね。
なので、私はゴボウの皮は包丁の背でこそげとっていました。
ピーラーでむくよりも、薄く表面だけを削り取れるからいいんです。
でも、皮に含まれるポリフェノールを効率よく食べるには、こそげとらずに食べたほうがいいという意見もあり
それならばと、たわしでこすって洗ってみたり
くしゃくしゃにしたアルミホイルで表面をこすって洗ってみたりしたわけです。
けれど、たわしって、結局ゴボウの皮を洗うときくらいしか使わないので、
置き場所にも困り、邪魔にもなり、
汚くなったたわしでごぼうを洗うのはいかがなものかと思い始め、あえなく挫折。
アルミホイルでこすって洗うのも、ゴボウを食べるたびにアルミホイルをくしゃくしゃして捨てるのって、なんとなく無駄な気がして、これも挫折。
チン・・・。
結局、
包丁の背でシャッシャッとこそげとるのが一番簡単で速いわ、ということになりました
ごぼうの皮に含まれているポリフェノールはもったいないことになっていますが
その分、気楽にごぼうを料理して
ごぼうを食べる回数自体が増えれば、結局はこっちのほうがいいんじゃないのという気がしています。
しかもです。
このやり方だと、ゴボウの皮だか泥の汚れだかわからない部分がきれいになるので
切った後、水にさらさずに調理することができます。
一昔前の料理の本では
切ったごぼうは酢水にさらすように書いてありましたが
あれって、ごぼうに含まれる酵素で色が変色するのを、酢の力で変色しないようにするためで
料理屋さんみたいに真っ白にしあげたいならいざ知らす
そこそこでいいなら酢水でなくても、水にさらすだけでも、変色は防げる。
それもですよ、別にごぼうは黒いもんだと割り切れば
水にさらして、美白する必要はないわけで
さらに言えば、水にさらすことで、件のポリフェノールが溶け出してしまうため
水にさらさないほうが、効率よくごぼうの栄養分を摂取できるんです!!
となると、
皮をこそげとった時に損失したポリフェノール
水にさらさないことで、プラスマイナスゼロにできるわけです。
いずれにせよ、大事なのは、いかに気楽にごぼうを料理するか、ってこと
ごぼうを洗うことや、水にさらすこと
そんなに神経質にならずに気楽にやったもん勝ちです。
ごぼうが食卓にのる回数がちょっと増えたらめっけもの
そんな感じですかね。
ということで今日の結論
あくまで、私の結論ではありますが
ゴボウの皮は、包丁の背でシャッショットこそげるのが早い。
ごぼうは、水にさらす必要はない
(さらすにしても、さっとで十分)
酢水にする必要は、全くなし。
楽して、おいしく食べれば、
食物繊維の効果で腸内環境改善!!
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今日の「日めくりレシピ」は「鶏ごぼう揚げ」
ごぼうはささがきにするより、細きりにしがほうが食感よく
しっかり噛むことでごぼうの香りも口の中いっぱいに広がります。
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