でいりいおくじょのBLOG

2021.07.01

読書日記「パリのすてきなおじさん」

「おばさんって、言葉使いたくないよね」

娘と、ちょっと前にそんな話をしました。

 

自分のことを”おばさん”って言いたくないし

誰かに”おばさん”と呼ばれるのもねえ。

 

でも、”おじさん”は?

 

”おじさん”っていう言葉を使う時

なんか、ちょっと愛情や、やさしさや、思いやりがあると思うんですよ。

その人に対して、ちょっとした好意のようなものを感じて使っている気がするんです。

そこが、明らかに”おばさん”とは違う気がする。

 

そんなことを思ったのは

この本を読んだからかもしれません。

 

「パリのステキなおじさん」(金井真紀文と絵 広岡裕児案内 柏書房)

 

この本は

パリの路上で出会った様々なおじさんから聞いた話を

そのおじさんのイラスト付きで紹介している本です。

言ってみたら、パリにいるおじさんカタログみたいな感じ。

 

 

おしゃれなおじさん

アートなおじさん

おいしいおじさん

あそぶおじさん

はたらくおじさん

今を生きるおじさん

 

という風にカテゴライズされていて

それぞれのステキなおじさんがイラスト付きで紹介されているんです。

 

イラストも、一つ一つ全部素晴らしいんだけれど

 

それぞれのおじさんが、皆さん自分らしい人生哲学のようなものを持っていて

その、言葉にもおおーって思う。

 

ただただステキ~って思うおじさんも

いろんな人生経験を積んでおじさんになっておられるので

一つ一つの言葉が、軽いようで重く、深く心にしみるんです。

 

「早く」「早く」と言い続けて生きたくない

とか

静かな心でいれば強くなれる

とか

二分考えれば済むことを、みんな大げさに考えすぎだよ

とか

人間を好きにならなきゃいかん

とか

 

いやあ、おじさんたち、深いです。

 

一人のおじさんごとに読みきりなので

この本は常に手元に置いて

ふっとしたときに、好きなページを開けて

パリのステキなおじさんに会いに行くのが、最近の日課です。

 

本当にいい本。

おすすめです。

 

2021年6月30日本

 

コメント

  1. へいこ より:

    確かに”おばさん”には、否定的な意味合いがありますね。”おばちゃん”の方がいいかな。
    気になるのが、テレビのインタビューなどで「お父さん」「お母さん」と呼びかけること。
    日本語にも英語の’sir’や’ma’am’にぴったり当てはまる言葉があればいいのに、と思います。
    でもこれからはジェンダーレスの時代だから、こういう言葉も使えなくなるかも。

    1. 奥薗壽子 より:

      呼び方って、難しいですねえ。
      ジェンダーレスの時代になると、ますます複雑になりますねえ。

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