家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
昨日、映画「日本のいちばん長い日」について書いたら
日本の原爆研究をテーマにした映画「太陽の子」についてのコメントを頂き
それで、原爆について、もう少し書いてみることにしました。
この映画は
日本で原爆研究をしていた人の話ですが
実際、あの当時
世界は、原爆開発に向けて突き進んでいました。
それは狂気としか言いようのないものだったと思います。
「暗号名チューブ・アロイス~原爆投下・秘められたチャーチルの戦略」
というドキュメンタリーを見ました。
これは原爆がどういう経緯で開発されたかを追ったドキュメンタリーで
2019年に放送されたものですが
今でもNHKオンデマンドで見ることができます。
それによると
原爆はアメリカが単独で開発したと思っていましたが、実は違っていて
そもそもは、チャーチルが、ナチスドイツからイギリスを守るために
強い兵器を開発する必要に迫られて研究したのが始まりだったというのです。
当時、ナチスは、フランスとポーランドを手中に収め
その矛先はイギリスに向けられていました。
ナチスドイツと戦うためには
イギリスにとって破壊力の強い戦闘兵器の開発は必須だったのです。
ウランの核分裂によってものすごい破壊力を持った兵器が作れるという理論は
出来上がったものの
当時、イギリスはドイツから集中的に攻撃されていたため
その兵器開発の実験場を作る場所を確保することができませんでした。
困ったチャーチルは、
アメリカにこの話を持ち掛け、共同で開発することを持ち掛け
時の大統領ルーズベルトと協定を結ぶんです。
これにより、英米二国間での核兵器開発が進められていくのです。
とはいえ、2国間の協定は
いろいろすったもんだあり、
いろいろな駆け引きがあり、この辺も、まあ複雑なんだけれど
本来、絶対漏れてはいけない核開発の秘密情報が
スパイによって、ロシアにもドイツにも漏れていき
ロシアは、あっという間に核兵器を作ってしまうんです。
そして、ヒトラーの自殺により、
ナチスの支配は終わったものの
新たな脅威として核を保有しているロシアが浮上するのです。
ルーズベルトは、核の情報はオープンにすることで
どこの国でも核開発をできるようにし
そのことで逆に核使用に対する抑止力になると考えていたようです
けれど、そのルーズベルトがなくなってしまう。
チャーチルは、原爆を使う気満々。
そこへもってきて
日本軍の無茶苦茶な戦略によって
日本は世界の嫌われ者になる。
もしも、どこかに原爆を落とすとしたら
それはもう日本だということになる。
この辺の時代の流れは、やり切れません。
この時代、日本は軍国主義という狂気の中にいました。
何度も何度も、
日本は立ち止まって、流れを変えるチャンスはあったのに
暴走を止められなかったのは
ひとえに、日本政府に軍隊を抑え込むだけの力がなかったということに尽きます。
映画「太陽の子」のあらすじによると(見ていないのであらすじだけ読みました)
日本の核兵器研究は、かなり高レベルだったようです。
もしも、何かがちょっと違っていて
日本の核開発が、もっと早くに完成していたら
どうなっていたんだろう。
世界は、破滅していたのかもしれないと思うと、恐ろしいです。
あの当時に日本の軍隊が核兵器を使えなくて
本当に良かった。
この映画のテーマソングを作られた福山雅治さんは
長崎の方でご両親が、
戦争当時、そこで暮らしておられたとか。
実は、私の父も
広島原爆当日、広島に限りなく近い岡山にいて
かなりリアルに体験しているのです。
戦争と、原爆投下は
歴史の教科書の中の事ではなく
確実に、すぐ近くのところで起きた事実であると私は思っています。
だからこそ、きちんと学ぶ必要がある。
そんな気がしています。
「太陽の子」
見る機会があれば見たいです。
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