家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
お彼岸なので、おはぎを作りました。
春はぼた餅、秋はおはぎ
朝テレビを見ていたら、そういう解説をしていましたが
私の中では、ぼた餅という名称にあまりなじみがないので
私としては、一年中おはぎでいいんじゃないかと思っています。
子供のころ、おばあちゃんが作るおはぎが大好きでした。
田舎では、自分のところで採れた小豆を一升瓶に入れて保存していて
(たぶん虫が入らないようにしてたんだと思う)
小豆の入った一升瓶を抱きかかえながら、
おばあちゃんが物置から出てくると、それだけでもうワクワクしてすごーくうれしかったものです。
おばあちゃんはあんこづくりがとっても上手で
大きな鍋で、たっぷり炊いたあんこを
こっそり味見させてもらう時の、うれしかったこと。
今自分であんこを煮るときは、いつもおばあちゃんの姿とか
あの時のわくわくした気持ちとか、思い出します。
おばあちゃんっ子なんです。
あんこを煮るとき
私は、ちょっと前までは、小豆を買ってきたら一袋全部煮て、あんこをつくり
食べきれない分は冷凍したりもしてたんですが
最近は、少しずつ、食べきれる分だけ、ちょこっと煮るようになりました。
小豆は浸水なしで煮始められるし
圧力鍋だと加圧時間10分、
煮詰める時間を入れても30分もあれば作れてしまうので
料理している片手間でも作れちゃうんです。
少しずつ煮るようになった理由は
小豆って、やっぱり煮えてすぐが一番おいしいと思うようになったから。
辻嘉一さんや吉兆の湯木貞一さんの本に
小豆は煮えばなが一番味も香りもよく
一日経つと、一気に味が落ちる
というようなことが書かれていて
あんこ大好きな私ですが
若いときは、そんなに違うかなあと思っていたんです。
別に、冷蔵庫に保存しても、言うほど差はないんじゃないかと
けれど、年を重ねると
だんだん、水とか米とか空気とか
そういうちょっとした違いが気になるようになるようで
最近は、煮えてすぐの小豆のおいしさは
やっぱり格別やわ、と思いはじめ
そのおいしさを味わいために、1/2カップずつとか
ちょこっと小豆を炊いたりするようになったのです。
そんなわけで、今日も小豆、炊きました。
私は、あんこをあまり煮詰めないで、ちょっとゆるめに炊くのが好きです。
そのほうが、口の中で、もったりしないので。
だから、おはぎにするときも、丸めたご飯の上から、どろりとあんこをかけるだけ。
簡単です。
ちょっと欲張って、黄な粉も一緒にかけました。
ちなみにご飯は
ごはんとゆでた里芋を麺棒でつぶして丸めたもの。
(ご飯と里芋、どちらも熱くないとつぶれないので、冷たいときはチンする)
ご飯に里芋を混ぜてつぶすと、もち米を炊かなくてももち米みたいな食感になるし
ねばねば成分で腸内環境にもいいし
カロリーもカットできるしで、いいことづくめです。
子供たちが小さいときから、
我が家のおはぎは、この里芋おはぎで
お餅つき感覚で、子供たちと一緒にご飯をついてつぶしたものでした。
ある時里芋ばっかりで作ってもいいんじゃないかと思ってやってみたのですが
ご飯の粒粒がないと、ちょっと間の抜けた感じになるので
ご飯と里芋、この組み合わせが大事です。
子供のころ、折に触れて、おうち餅つきをやりながらおはぎを作ったおかげなのか
娘も、おはぎ好きに育ちました。
おばあちゃんから私に、私から娘に
おはぎのおかげで脈々と命がつながっています。
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