でいりいおくじょのBLOG

2023.01.13

映画日記「天使にラブソングを・・・2」とリルケ

先日、少しだけ触れた

「天使にラブ・ソングを・・・2」

の中で

 

印象的なシーンがありました。

 

歌うのが大好きな女の子がいるんですが

その子のお母さんは、

歌手で食べていくなんて、無理なんだから

歌なんて夢みたいなことを考えないで

ちゃんと勉強しないなさいって怒るんですね。

 

で、その女の子も

どうせ自分なんか、歌手になれるわけないんだからって

歌うことをやめようとする。

 

その時、主人公のデロリスが彼女に

リルケの「若き詩人への手紙」に書かれていることを話すんです。

 

その話って言うのはこう

 

ある男がリルケに

作家になりたいから作品を見てくれって言うんだけれど

リルケはこう答えた

そんなこと俺に聞くな

朝起きて、物を書くことしか考えられなかったら

お前はもうすでに作家だ

 

つまり

歌が好きなら、もうそれだけで歌手なんだから

歌手になれるかどうかなんて、考えることはない

好きなら歌え

 

ってことを言うんです。

 

このシーンは、

かなり印象的で

 

私、すぐに、リルケのその本、

「若き詩人への手紙」電子書籍で買って読みましたよ。

 

この本は、リルケが書いた手紙を何通もまとめ、1冊にしたもので

件の内容は、最初の1通目に書かれています。

 

読んでみると

たしかに、

あなたの詩に対する、私の感想など聞くなと書いてあります。

それ以外にも

 

他人から評価されないことで落ち込んだり

他の人の詩と比較して不安になったり

そういうことを全部やめて

自分の心の奥深くを、もっとしっかり見極めて

書きたいか、書きたくないか

それが大事だ

 

そして、すごいことを書こうとせずに

自分の日常生活のなかで

目にした、ごく普通のことを書きなさい。

 

もし、いつもの生活がつまらなく思うのなら

つまらない生活を非難するのではなく

そう思う自分を非難しなさい。

 

***********

 

良い事言うねえ~リルケさん

 

そうなんですよね。

 

すごいことをやらないと、すごくないって思っているけれど

何かをやりたくて、やりたくて仕方ない

って言う、その気持ち

それをまずは、大事にすること。

 

そして、すごいことをやろうとするんじゃなくて

まずは、すごくなくてもいいから、とりあえずやってみる。

 

やってみて、心が喜んでいれば、それでOK。

 

べつに、ほめられなくてもいいし

すごくなくてもいい。

 

自分の心が喜んでいれば。

 

私自身

好きなこと、やらずにはおれないことがいくつかあって

 

その一つが料理で

後は、本を読むこととか、映画を見る事とか

そういうのも、やらずにはおれない事かな。

 

でも

いつもいつも、めちゃめちゃ楽しい~~~~~

ってわけじゃない。

 

心の奥の方で、静かに喜んでいる感じ。

 

ろうそくの火が、静かに燃えている感じの好き

そういうのが、本当に好きってことじゃないかな

 

そんな気がする。

 

親鸞が弟子に

「今日の私は悟っているだろうか?」

って聞いたそうだけれど

 

自分ではよく分からん

その感じ、好き。

 

自分で自分に聞いてみる

料理が楽しかった

本を読む時間が幸せだった?

 

 

心の奥の方で

炎がちろっと揺れるように静かに頷く

それくらいの感じがいい。

 

2023年1月12日天使

 

 

コメント

  1. ママデューク より:

    「天使にラブ・ソングを・・・2」観ているけれど、リルケの手紙の所はスルーしていて全く覚えていませんでした。
    奥薗姐さんのこの記事を読んで、とてもいいなぁと感じました。
    自分が好きならそれでいい。他人からの評価やそれが凄い事でなくてもいい。とりあえずやってみて自分が楽しめる事が大事。
    SNSをやっているとついついいいねやコメント視聴数などを気にしてしまいますが、やっていて楽しいと感じる事が大事だなと改めて思いました。ありがとうございます🙇‍♂️それでは失礼致します🙇‍♂️足立区一のお調子者f@

    1. 奥薗壽子 より:

      映画って、見る人によって、
      記憶に残るシーンが違うのが面白いですよね。

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