家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
関西には、お正月に大福茶というお茶を飲む習慣があります。
大福茶というのは、早い話、梅干しと結び昆布の入った茶で
元旦の朝に家族みんなでこれを飲んで
その年の無病息災を願うというものです。
毎年、普通のお店で売っている小梅を入れて頂いていましたが
今年は、なんと北野天満宮の大福梅です。
これは北野天満宮の梅林でとれた梅を塩漬けにしてカラカラに乾燥させたもので
授与される期間中に北野さんに行かないといただけません。
実は去年の秋、紅葉を見るために北野天満宮に紅葉を見に行った時
運よく申し込みをすることができ、年末に送られてきたのでした。
梅干しといっても、おにぎりの中に入れて食べるようなのとは違って
本当にカラカラに乾燥しています。
いよいよお正月。
これにお茶を注ぐのですがお茶の種類は、特に決まりはありません。
お煎茶のこともあれば、ほうじ茶や玄米茶という場合もあります。
うちでは、健康を願うということで普段飲んでいる健康茶(いろいろな茶葉がミックスされている)にしました。
あっ、本当は結び昆布と一緒に入れるんですけど
結び昆布が手に入らなかったので、今回は大福梅のみで。
本当にカラカラに乾燥しているので
お茶を注いですぐだと、あまり梅の香りも味もしません。
なので、焦らずゆっくり頂くと、
そのうち段々と梅干の周りがちょっとふやけてきて、梅干しの外側の塩分が染み出してきます。
そうそう、こういうお茶はあわただしくチャチャっと頂くものではなく
心静かに、ゆっくりと押し頂いて頂戴する、そういうものなのですね。
さて、この梅干し、一粒でご飯3杯くらいはいけそうなくらいしょっぱいので
お茶を頂いた後、梅干しまでいただくのはちょっと辛い。
かといって、そのまま捨ててしまうのも罰当たりな気もするし。
さて、どうしたものか。
そこで、この梅干しで昆布を煮ようと思いつきました。
ちょうど、お正月に鯛の昆布〆につかった昆布が大量に余っているので
それを煮ようと思っていたところだったのです。
きれいに洗った梅干しと昆布をコトコトと煮るだけです。
煮ていくほどに梅干しもとろりと軟らかくなりいい感じ。
これで、今年もいい年になりそうです。
コメント
先生、おはようございます。
“お正月”って感じでいいですね?。
梅から塩分が染み出すのを待つ時間も、贅沢な時間ですね。
いや、貴重な時間って言ったらいいのかな。
喉を伝って、じんわりと体に入っていきそうですね。
そんな梅で煮た昆布も、特別な感じがして御利益がありそうですね。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。