家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
クローズアップ現代で食べ物が小さくなっている現状を取り上げていました。
声に出しては言わなかったけれど
正直、もうずいぶん前から気付いておりましたです、私。
くいものみんな小さくなっておりますです。
番組の中でも言われていましたが
これは今に始まったわけではなく
2008年ごろに、海外の穀物や輸入原料の値上がりによる影響によるものだそう。
私が当時テレビで見たのは
ちくわの穴が大きくなっているという話でした。
つまり、見た目は同じように見せつつ、実質の内容量は少なくなっているという苦肉の策ですね。
それを聞いたときは、ちょっと笑いましたが
それが、その後、いろんな企業が直面する切実な問題をはらんでいたなんて、その時は全然思っていませんでした。
いつの間にか
板チョコレート1枚80gから50gに
ヨーグルトは500gから400gに
納豆は50gから40gに
スライスチーズは薄くなり、ソーセージは一袋に入っている本数が減り
バターは1箱225gだったのが、150gになった時には、正直びっくりしました。
こんなことを書くと、ものすごく細かくてせこい人間みたいなんで
一応言い訳させてもらうと
レシピを書くときに、スーパーで売られているスダンダートな量を頭に入れておく必要があるのです。
お菓子のレシピを書くのに、
板チョコ80g必要なレシピを書いてしまうと
自分では、板チョコ1枚のつもりが2枚弱という、すごい中途半端な分量のレシピになってしまうので、それを避けたいんですね。
それと、糖尿病や減塩など、医療関係のレシピを書かせてもらうことも多く
その場合、自分でカロリーやら塩分やら、栄養計算を自分でするので
ちくわ1本とか、納豆1パックの分量とか
焼きそば1玉の重さとかを、常に知っておかないと
接種できているはずの栄養素が、足りていなかったり
栄養素や塩分量を正確に計算できなかったりするのです。
だから、常にスーパーをうろうろして、
スタンダードな容量や重量を結構まめにリサーチしているのです。
今の時代
基本となる食材の単位が、刻々と変化しているので
それをしっかり把握しておかないと、時代に合ったレシピが書けなくなってしまうのです。
・・・と、それはさておき、
それにしても、こういう食品のスモールチェンジ(値段を変えず、内容量を少なくすること)の裏には
大変な企業努力があるということを、番組を見て知りました。
例えば、お米の価格高騰により、おにぎり1個100gから95gにすることにされた工場で
おにぎりの重量をたった5g減らすだけなのに
工場の機械が微妙にずれて、うまく包装できなかったりして
それを整備するのに大変苦労されていたのは、そうなんだ~と思ってみました。
それとは別のかまぼこやメーカーでは本当はスモールチェンジしたいんだけど
そうなると、包装する備品自体を作り替えないといけなくなるため
スモールチェンジすることができず、かといってこのまま作り続けることも大変だったり。
価格はそのままで内容量を減らすのか
内容量はそのままで価格を上げるのか
あるいは、価格も内容量もそのままで品質を落とすか。
企業だけでなく、消費者の価値観が問われますね。。
たぶんどれが正しいということではなくて
企業も、消費者も目指しているもの、望んでいることがあるから
その二つの利害が一致すればいいのだと思うんです。
だからこそ、消費者も、そういうことをしっかり見極める目を持つことが大事で
自分の価値観に合ったものを選ばないとね。
消費者もぼーっとしてちゃダメですね。
私としては、品質を落としてほしくない
できれば、値段を上げず、内容量が減るほうが、私はうれしいかな。
コメント
先生、おはようございます。
さすが先生だぁ✨。
目の付け所が違いますね。
確かに、塩分やら糖分やら、減らせるものなら減らしたいですね。
できれば保存料や化学調味料とかも。
自分の口に入るものですから、自分が必要としているもの、私たち消費者自身も、見極める目を養わなければならないと思います。
それにしても、日本の企業努力、世界でもトップレベルなんだろうなぁ。
私たちに食品が届くまで、努力されている多くの方々に敬意を表したいですね。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。
スモールチェンジの技術と努力は、本当にすごいと思います。