家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
昨夜放送になった、家庭の医学 腸内フローラ
復習を兼ねて、補足説明をさせてください。
まずは、トマトキムチチゲ
今回、味噌、漬物、ヨーグルト、チーズ
この4つの発酵食品を同時にとれる料理というのが、一つ目の課題。
そこで、まずは白菜キムチを柱に考えてみたというわけです。
白菜キムチといえばキムチチゲ。
これなら、もう一つの課題である食物繊維も簡単に摂れるので
方向性としてはバッチリです。
でも、普通に鍋に具材を入れて、野菜を入れて煮るのでは、あまりにも普通すぎ。
そこで、今回紹介したキムチチゲは
具材を全部混ぜて器に入れ、電子レンジにかけるだけで出来上がるチゲを考えてみました。
ポイントは水を加えず、トマトの水分で汁ものにするところ。
トマトを加熱するだけでスープになるのか?
と思うかもしれませんが、意外や意外、いい感じの水分量になり
しかも水を使わないことで、うまみの濃い、おいしいスープになるのです。
一人分約3分という手軽さ、一人分ずつ器で完成というのも手軽でうれしいところです。
食物繊維量をアップさせるものとして
今回は大豆、オクラをプラス。
豆類は食物繊維が多いだけでなく、オリゴ糖も豊富。
オリゴ糖は、乳酸菌のえさになり、腸内の善玉菌を活性化させる働きがあります。
あっ、それから乳酸菌は加熱しても大丈夫なのか?
と思うかもしれませんが
もちろん、加熱することで乳酸菌は死んでしまうのですが
死んでしまっても、その死骸が腸に届くことで
それが、腸内の善玉菌のえさになり、活性化させることになるそうで
加熱して食べても、効果は十分あるとのことですので、ご安心あれ。
二つ目の料理は、トマトチキンカレー
食物繊維を一食で10gとれること、というのも課題で
この量を摂るには、
食物繊維を豊富に含む野菜を使うか
もしくは、加熱してカサを減らして量を食べるか
どちらかですね。
今回のカレーは、後者の方。
たっぷりの玉ねぎを加熱して量を減らそうというわけです。
玉ねぎ自体は、めちゃめちゃたくさんの食物繊維を含んでいる野菜ではありませんが
オリゴ糖が豊富に含まれているので、乳酸菌と一緒にとることで
腸内の善玉菌を活性化させることができるので、
カレーに入れる、あめ色玉ねぎ。
あれって、量が1/3くらいになりますよね。
1/3になれば、無理なく食べられる!!
ただ問題は、あめ色玉ねぎを作る手間と時間。
1時間くらいじっくり炒めるが普通です。
けれど、1時間炒めるのって、相当大変。
そこで、10分程度であめ色になる方法を考えました。
まずは玉ねぎの切り方。
繊維に対して直角に切ることで、早く水が出てしんなりします。
炒め方にもコツがあります。
玉ねぎをフライパンに入れたら軽く塩を振り、全体に油と塩をからめ
フライパンいっぱいに大きく広げて蓋をして、そのまま3分蒸し焼きです。
ふたをすることで早く玉ねぎがしんなりし、触らずに蒸し焼きすることで
炒めるというより焼く感じにすることで、早く焦げ色がつきます。
火加減は中火。
3分経ったら、玉ねぎがいい感じに焼き色がついているのが理想です。
もしも、焼き色がついていなかったら、まだ触らずに、もう少しそのままおいて焼き色を付けてください。
焼き色がついたら、全体にかき混ぜます。
玉ねぎに焼き色がついているということは、フライパンにも玉ねぎの焦げがついているはず。
その焦げにめがけて水を少しずつ入れるのがポイントです。
焦げを洗い流す感じでこそげながら全体をかき混ぜます。
そうすると、魔法みたいにあっという間に玉ねぎがきつね色になるんです。
後は、またフライパンいっぱいに玉ねぎを広げ
そこに焼き色をがつくまで触らずにじっと待ち
焼き色がついたら、それを洗い流す感じで水を入れて混ぜる。
これを2~3回繰り返せば、あっという間にあめ色玉ねぎの完成です。
蒸し焼きする時間を含め、トータルで10分くらいです。
もちろん、じっくりじっくり混ぜながら炒めたのに比べ、
甘味や旨みの出方は若干違うのかもしれませんが
これでも十分玉ねぎのおいしさは味わえます。
しかも10分以内という時間は、魅力的でしょ?
さて、このカレーのもう一つのポイントは糠漬けのきゅうりで作るピクルスです。
きゅうりの糠漬けにレモン汁をかけた酸っぱいピクルスが
意外なほど、カレーに合いますので、これも是非是非試してみてください。
3つ目の料理は、お芋のサラダです。
いもサラダというとジャガイモのサラダを想像しますが
今回は芋は芋でも、長芋のサラダです。
実は
味噌、漬物、チーズ、ヨーグルトを、一度にとれるソースを使った料理を一つ入れてほしい。
というリクエストがあり
それで考えた料理です。
4つの発酵食品を同時にとれるソースとなると
4つの発酵食品を混ぜるしかなく
それをソースとしてまとめるにはどうすればいいのか
これも、最初はどうしたものかと悩みました。
最終的にはレモンをたっぷり加えることで
4つの発酵食品がうまくまとまってくれ、おいしいソースになりました。
今回は、たたいた長芋、たたいたきゅうりのしゃきしゃき感
アボカドのとろっとした食感に
さらに糠漬けきゅうりのを薄切(まるで塩もみきゅうりのような食感)
を組み合わせ
食感の楽しさを味わえる一品にしあげました。
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食物繊維と乳酸菌
今回は、作る途中でわくわくしたり
食べながら食感の妙を楽しんだりできる料理をめざしました。
ささっと簡単にできて、食べておいしくて体にいい。
毎回、それを目指していますが
今回の料理はいかがだったでしょう?
部分的にでも、参考になるところがあれば
うれしく思います。
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