家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
写真を撮るのは楽しいです。
目で見ている世界が
カメラのレンズを通すと、全く違う世界になるんです。
たとえば、最近私は植物を撮っているのですが、
カメラのレンズと通してググッと近寄ってみると
普段何気なく見ている植物たちが、全く違う姿を現してくれるんです。
そうなると、近寄るのがどんどん面白くなって
もっともっとと、どんどん近づいてしまうんだけれど
実は近づいてばかりいると
今度は逆に、モノの本質を見失ってしまう。
たしかにどんどん近づいていくと、普段見ているのとは違うものが見えて面白いんだけれど
でも、普段見ている姿のほうが、本当はリアルで
時々、ふっと思い出したように、ぐっと引いた風景を撮ってみると
それもまた、いいなあと思えたりするんです。
例えば、道端に咲いている花のようなものって
ぐっと近づいて撮るより
あまりこらずに引いて撮るほうが良かったりするんです。
咲いている場所の雰囲気も含めて、その花のかわいらしさだったり
そう言うの全て含めて、その花の愛おしさだったりするわけだから。
これって、もしかしたら、カメラのことだけではないのかもしれないなと
最近思います。
何かに興味を持ったり、好きになったりすると
どんどんそれにのめり込んで
どんどん知りたくなって、夢中になるけど
夢中になりすぎるあまり、本質を見失うというか
例えば、料理にしても、
もっとおいしくしよう、もっと体にいいものを食べよう
もっと人に褒められるような料理を作ろう
もっともっとと力が入りすぎると
逆に、素材の本質からどんどん遠くなる。
時にふっと力を抜いて
切っただけ、焼いただけ、ゆでただけ
あれこれ手を加えず、味を加えすぎず、シンプルにたべてみると
ああ、そうそう、これってこういう味だったとしみじみおいしかったりします。
ぐっと力を入れて近づく面白さと
ふっと力を抜いて、引いてみる勇気
カメラも料理も同じですね。
コメント
先生、おはようございます。
なにごとも、“丁度いい塩梅”が一番いいのですよね。
カボチャが美味しくなってきましたかぁ?。
いよいよ秋の始まりですね。
先生、今日も1日健やかにq(^-^q)。