家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
明日、京都でのシンポジュウムに出席するために
今日から京都に入っています。
この前大阪で仕事があったときは
やらなければならない仕事が山積みだったので、京都に寄らずに帰らざるを得ず
今日は、あの時のリベンジもかねての京都ごはん。
今日は、初めて行くお店で、楽しみ楽しみ
まずは、レンコン団子。
写真では見えないのですが、スプーンを入れるとタラの白子が入っています。
上にかかったくずあんは、上品な昆布だしで
品の良いくずの香りも口に広がります。
やっぱりくず粉のとろみって、片栗粉とは全然違うわ。
こういう小さなことでも、家庭とは違う、お店の料理って感じ、
次は白みその汁椀。
具はエビ芋と、エビと菜の花
正月の白みそと、出始めの菜の花が
季節の移り変わりや、春の予感を感じさせてくれる一品。
白みそとだしの合わせ加減が
さらりとしているのにコクがあり
白みその香りとうまみも、何とも豊かで
やっぱり、うちで作る白みそのおつゆとは違うおいしさだなと感心することしきり。
お刺身、マナガツオのみそ漬けと続いて
そのあとが、このお店の看板メニューでもある焼きごま豆腐。
しかも、ゴボウ入り焼きごま豆腐!!
なめらかなごま豆腐の中に、ゴボウのペースト(?)が練りこまれていて
食感はフグの白子のようでもあり、でも薫り高いゴボウの風味が口いっぱいに広がり
上にかかった甘辛味の山椒だれとの相性もばっちり
粉をはたいて焼くことで、中までアツアツトロトロ
今まで食べたことのない、うっとりするようなおいしさです。
更にそのあとに出てきたのが
からすみそば
細めの更科そばの上に、目の前でからすみをチーズのようにたっぷりとかけてくれます。
からすみを削る?
と、まずはそれでびっくりするのだけれど
削ることで、からすみがそばにからまり
からまることで、からすみを食べるよりももっと豊かにふんわりと口の中でうまみと香りが広がります。
細めの更科そばなので、からすみの香りを邪魔することなく
いい感じの冷たさとのど越しをプラス。
絶妙の名組み合わせです。
そのあと、
のどぐろ唐揚げ、
ヒラメの肝とヒラメの子の煮物
シルククジラの酢味噌和え
聖護院大根とウズラ団子の炊き合わせ
と続いて
いよいよご飯!!
ご飯は茶懐石の伝統にのっとり
煮えばなの、完全に蒸らし切れていない中心部分をほんの2口ほどを
茶わんによそってくれるのだけれど
この煮えばなというのは、コメの甘みが最大限に引き出されている状態で
一口食べると、コメってこんなに甘かったのかとびっくりします。
2膳目は、そこからほんの数分蒸らしただけなのに
先ほどとは明らかに違う香りになっていて
コメからご飯になったというか、炊き立てのご飯の香りがここで初めてし始めるのです。
わあ、ご飯って、こんなふくよかな香りだったのかと、またまた感動。
この状態は、漬物も汁物ももったいなくて合わせられず
ただただご飯のおいしさを味わいます。
3杯目になると、ようやく私の知っている、いわゆる炊き立てご飯の味になります。
繰り返しになりますが
最初に煮えばなからは数分しかたっていないのに
ご飯の味わいと香りは刻一刻と変化し
ご飯だけなのに、どんなごちそうよりもごちそう感があります。
3杯目は自家製お漬物で
さらに、4はいめ(!!!)はちりめん山椒で。
こちらのちりめん山椒は、白みそで炊いてあるそうで
いつも食べている醤油とみりんで炊いたちりめん山椒よりも、
こっくりとしたコクのある甘味があり
それが、炊き立てのご飯と合わせると、もう何杯でも食べてしまいそうなくらいのおいしさです。
最後は、デザートの水菓子と、小さなお汁粉、お抹茶までいただき
はあ~っ、本当に大満足。
ごちそうさまでした。
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