家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
こんなことを書くと、意外に思われるかもしれませんが
私、ずいぶん大人になるまで、一人で外食ができなかったんです。
そもそも、子育てが忙しいときは
外食する時間も、お金も、心の余裕もなかったし
外でお勤めしているわけではないので
一人で外食できなくても、特に問題はなかったのです
ところが、子供が大きくなって、それぞれに自分の世界を持ち始めたとき
家庭という狭い世界の中に、自分だけが取り残されていくような気持になって
もちろん、家族と一緒に出掛けるのも楽しいけれど
一緒に行くのを待っているだけじゃダメで
自分も一人で外に出て、広い世界を見なくっちゃと思ったのです。
子供が小さい間は、親が守ってあげなければなりませんが
子供が大きくなった後は
親は親で自立せねば
逆に子供のお荷物になってしまうとも思ったのです。
そこからが私の、一人ごはん修行の始まりで
恥ずかしながら、これ、ほんの4~5年前の話。
最初は、おっかなびっくり、おどおどしながらご飯を食べたものでしたが
今では、ある程度のお店なら、全然平気で入れるようになりました。
そんな私ですが、
いまだに、一人で行く勇気がないのがお寿司屋さん。
何ですかねえ、お寿司屋さんって、なんかやっぱり女一人で行ってはいけないような雰囲気、ありませんか?
そもそも、回っていないお寿司屋さんって、そうそういかないし。
そんなことを思いながら、今日読んだのが
「女ひとり寿司」(湯山玲子著 幻冬舎文庫)
この本は湯山玲子さんが、高級すし店や、おいしいと評判のお寿司の名店に、女一人で行って、お寿司を食べて帰ってくる、
それを延々書いた本ですが
単に、お寿司の味や、お店のサービスについて云々するという、いわゆるグルメエッセイとは違って
テンポのいい、小気味よい文章で、
そのお寿司屋さんにきているお客さんの様子をレポート。
お店によって、客層にも違いがあって、
その会話の内容なんかも、めちゃめちゃ面白く
まるでその場に自分もいて、すっかり耳年増になったような気分に浸れます。
旅や冒険は、何も遠くに移動しなくても日常に転がっていて、女ひとり寿司はその最たるものだ
というのが、湯山玲子さんが豪語されていることで
これは私自身、常々感じていることと全く同じ。
旅行に行って、普段と違うものを見て、違う空気に触れて、土地のおいしいものを食べるのも悪くないけれど
家の周り、せいぜい半径2~3キロ圏内のところをぶらぶら歩くだけでも、
新しい発見やわくわくがあります!!
へえ~、こんなとこに、こんなお店があったんや~って、発見するだけでもわくわくするし
じゃあ、ちょっと入ってみるか、って決心するときのドキドキ感は
見知らぬ土地で、見知らぬお店に入るときのドキドキと、そう変わらないと思う。
普通の定食屋さんみたいなお店でもそうなのだから
それがお寿司屋さんだったりしたら、
それは、旅や冒険に匹敵するくらいのドキドキ、わくわく。
もっとも、この本で湯山玲子さんがひとり寿司に減らんでいるお店のラインナップが
かなりすごすぎて、田舎者の私は、正直ほとんどついていけませんが。
いやいや、別に、高級すし店で高いお寿司を食べたいわけじゃなくて
女一人、白木のカウンターでお寿司を食べるっていう経験をしてみるってことが、最重要課題なのだから
まずは、駅前の家族でやっているような庶民的なお寿司屋さんから、チャレンジしてみるのも悪くないはず…と思いなおす。
GWが終わったら、女ひとり寿司デビューするぞー!と思わせてくれる一冊でした。
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さてさて、今日も娘は仕事なので
母はせっせとお弁当作り
エリンギたっぷりのメンチカツ
ハム入りポテトサラダ
ひじきと人参と竹輪の煮もの
ブロッコリー、卵焼き、ミニトマト
メンチカツは、昨夜の夕飯に作ったもの。
たっぷりの玉ねぎと、粗目に刻んだエリンギ入りです。
メンチカツって、要はハンバーグに衣をつけてあげるようなものなので
中まで火を通すのに、結構じっくり揚げる必要があります。
コロッケのようなものだと、あらかじめ火が通っているので
少ない油で揚げ焼きにしても、表面の衣さえカリッと揚がればOKですが
メンチカツの場合、中まで火を通さなければならないので
コロッケよりも、揚げるのが難しい。
そこで、野菜をたっぷり入れて、あまり厚みがないようなコロッケ型にしておくと
火の通りが早いですね。
エリンギをたっぷり入れることで、まさに火の通りが早くなるし
旨みがアップしつつ、カロリーはダウン。
うれしいことづくめです。
ポテトサラダは
塩もみしたキュウリを混ぜたいところだったのですが
最近、気温が高くなってきたので
手で塩もみしたキュウリを入れるのがちょっとためらわれ
生のキュウリを薄切りにして、仕切り代わりに添えることにしました。
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