でいりいおくじょのBLOG

2020.08.12

読書日記「空気を読む脳」

中野先生の話題の新刊

気になっていたのものの、なかなか読めず、ようやく読み終わりました。

 

「空気を読む脳」(中野信子著 講談社+α新書)

 

「空気を読めないやつ」とか、「空気を読め」とか

ってよく言いますが

そもそも、その空気って、いったい何なのか。

 

その事に興味があって手に取ったのですが

本全体を通して、脳と空気について書かれているわけではなく

全体的には、いろんなシーンにおいて

なぜ、人はそういう行動をとったり、そういう思考になったりするのか

というようなことを、

脳科学の視点からわかりやすく書いてある本です。

 

いろんな事例もたくさん上げてあり、

どれも興味深かい内容でした。

 

中でも、面白いなあと思ったのはこれ。

 

普段、自己犠牲をいとわずまじめに働いている人が

いったん不公平な仕打ちを受けると

一気に義憤にかられ

自らの損失を顧みずに、それに抵抗しようとする。

 

その原因は脳内のセロトニントランスポーター((セロトニンの量を調整し、再取り込みを担うたんぱく質)の量に関係していて

少ない方が、その傾向が強くなるそうで

実は、日本人は世界で一番少ない部類に入っているんだって。

 

確かに、先日見たテルマエロマエでも

日本のじいちゃんたちは、損得勘定抜きで

ひたすら温泉を作っていたし

 

コロナに対する対応の仕方を見ても

きちんとルールを守る傾向があるけれど

でも、その一方で自粛警察みたいなことも起こってくる。

 

そういうのも、脳科学から見れば

説明ができるのが興味深かったです。

 

もう一つ、面白いなと思ったことは

スタンフォード大学で80年続けた調査で

10歳前後の児童を5~10年おきに調べた結果が載っていて

 

それによると、

長寿に共通するのは

良心的で、慎重で、注意深く。調子に乗らない、まじめで悲観的な性格なんだって。

 

陽気で楽観的な人より、まじめて悲観的な人の方が長寿。

まあ、言われてみたら、そりゃそうだなって思う。

 

リスクをきちんと見極めて、常に冷静に、そのリスクを回避する方法を選択すれば、

結果として長生きはできそうだもの。

 

でも、だからといって

それが幸せの量と比例しているかといえば

そうでないのかもしれないところが、なんとも言えない。

 

これも、すごく日本人に当てはまる。

世界的には長寿国だけれど

世界の克服度ランキングで見れた場、かなり下の方。

 

なんか、これも興味深いですね。

 

この本を読んで、

自分は、典型的な日本人脳だと思いました、当たり前だけど。

ここに書いてある日本人の傾向は、大体当てはまり

そうそうそうそうって思えました。

 

だからね、自分はどうして、こんな性質なんだろうとか

どうしてもっと、こんな風に思うのかとか、こういう行動をとるんだろとか、

って思っても仕方ないこともたくさんあるなあって思いました。

 

ある程度は努力で改善できるのかもしれないけれど

脳内の問題なのだとすれば、努力でどうにもならないこともたくさんあります。

 

そうなると、まず、やるべきことは

自分の習性とか、考え方のクセをきちんと理解して

自分を上手くコントロールする術を習得することなのかな、って思いました。

 

自分の脳をおだてたり、だましたりしながら、うまく操ること

それが、賢く、楽に生きる術なのかもって思いました。

 

それにしても、人間の脳は面白い。

 

2020年8月11日空気を読む脳

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