でいりいおくじょのBLOG

2014.12.04

丼物をおいしく減塩する方法を考えました


最近の料理の傾向を見ていると

減塩やカロリーなどの健康を重視する料理と

おいしさや快楽を重視する料理と、二極化が進んでいるように思います。
 

突き詰めていけば

人は生きるために食べるのか、食べるために生きるのか

どちらを取りますか?ってことなんだろうけれど
 

でも、少なくとも家庭料理に関していえば

この2つを両方のいいところを併せ持った料理を作ることが可能だと思っています。

というか、健康に良くて、尚且つおいしい

これを実現できるのが、家庭料理だと私は思っているのです。
 

中でも減塩。
 

これまで、減塩料理の仕事はけっこうしてきました。

減塩料理の本も書きました。
 

いろんな料理を、どうすればおいしく減塩できるのか

料理法や調味料を入れるタイミング、加熱方法などを駆使して、挑戦してきました。
 

実は、減塩料理を考えるとき簡単に塩分を減らせるものもあれば

減塩すると、なんだかちっともおいしくなくなってしまうものもあるんです。
 

減塩が難しいのが麺類とどんぶりもの。
 

麺類は、麺自体に塩分が含まれているうえに

麺より濃い目にお汁の味を調えておかないと、味が決まらないこともあって

減塩するにはコツが要ります。
 

丼物の場合は

全く味のついていないごはんに具をかけ、具とご飯を一緒に口に入れます。

そうなると、塩分のないごはんと口の中で混ぜてちょうどいい味にするには

具は、具だけを食べるときよりも濃い目の味にしておく必要があります。
 

しかも、上からかける具の汁をごはんがすってしまうので、

具だけでなく汁にもやっぱりしっかりと味つけをしないといけない。

しかも汁ダクになればなるほど、塩分量は増えます。
 

けれど汁の染みたごはんのおいしさは丼物の魅力です。

だから、塩分が多くなりすぎるからって、煮汁の量が極端に少ないと

丼物としての魅力も減ってしまいます。
 

悩ましいですねえ。
 

そこで、丼物をおいしく減塩する方法を考えてみました。
 

まず、最初に考えたのは、具とご飯を別盛りにする方法。
 

繰り返しになりますが、なぜどんぶりの塩分が多くなるかをもう一度書くと

具をごはんに乗せると、ごはんが煮汁を吸うので

煮汁を吸た味付きごはんをおいしく食べるためには

ごはんにしっかり味がつくだけの汁の量と味の濃さが必要になり

また、最後までおいしく食べるために、しっかり目に味をつけておく必要があるわけです。
 

そこで、思い浮かんだのが

とんかつ屋さんにある、カツとじというメニュー。

だしで煮たカツを卵でとじてあるんですが、それをごはんに乗せないで別のお皿に盛って出てくる。
 

多分、卵でとじたカツをおかずに、白いご飯を食べたいという人がいるから

こういうメニューがあるんだと思うんだけど

これ、減塩には、とってもいい方法だなと思ったんです。
 

つまり、煮汁がご飯にしみこまないから

煮汁を全部口にしないで済む。

煮汁の味が濃くても、最後にそれを残せば、残した分だけ減塩できちゃうわけです。
 

丼にしたかったら、

一口分だけ、汁と具をご飯にかけて口に運べば、丼の味は楽しめます。

ごはん全部をどんぶりで食べる必要はないと思うんです。
 

更に更に、

別盛りにして、ご飯のおかずにすると

ごはんの上に乗せるときよりも、薄味にしても物足りなさがないんですね。
 

白いごはんはごはん、おかずはおかずという認識で食べることで

おかずの味付けが、しっかり感じられるんだと思います。
 

なので、親子丼でも、牛丼でも、照り焼き丼でも

ごはんにのっけずに別盛り!

これで、おいしく減塩できます。

簡単でしょ?
 

でもね~、やっぱりごはんに乗っかって、

あの煮汁がご飯にしみこんだのがおいしいんだよ~っていう方
 

うん、うん、わかりますよ。
 

そういうドンブラーの方のために、さらなる方法を考えました。
 

ごはんの上に鰹節を広げておいて

その上に具をのせるんです。
 

それだけです。
 

たったそれだけで、減塩できる?

いや~できるんですねえ。
 

しつこいようですが、もう一度繰り返します。

丼物って、煮た具と汁をごはんの上にかけるので

ごはんがあっという間に煮汁を吸ってしまうため

ご飯の量に合わせて煮汁もたくさんいるし

煮汁を吸ったごはんをおいしく食べるためには、しっかり味がついていないと

逆に物足りなさが際立ったりしてしまう。
 

だから、汁ダクにしたり、煮汁を濃い目に味付けたりするわけです。
 

ごはんの上に鰹節を広げておくことで、

煮汁はいったん鰹節が吸うので、ストレートにごはんにはいきません。
 

煮汁を吸った鰹節をごはんに混ぜて食べることになります。
 

これって、いわゆる猫まんまですね。

猫まんまって、鰹節に味がついていれば、

ご飯に味がついてなくても、鰹節の味でおいしくご飯が食べられると思いません?
 

丼物だと、ご飯全体に煮汁がシミシミになっていないと

最後のほうの汁の染みてない白ごはんは、ちょっと物足りなく感じますが

猫まんまだと、味のついた鰹節で、味のついていないご飯をおいしく食べられるんです。
 

このやり方のいいところは

ご飯全体に、煮汁で味をいきわたらせる必要がなく

鰹節に味をつければいいとなると

煮汁の量もぐっと減らすことができるんですね。
 

しかも、煮汁を吸ったごはんって、煮汁の量が少なかったり味を薄くすると

だんだん味がぼやけて間が抜けた味になってくる。
 

けれど、鰹節に煮汁を吸わせれば、

鰹節のうまみのおかげで、味がぼけることも薄くなることもありません。
 

ね、これ簡単でいいでしょ?
 

ということで、今日のまとめです。
 

丼物をおいしく減塩する方法を2つ紹介しました。
 

①具とご飯を別盛りにする

②ご飯の上に、あらかじめ鰹節を広げて乗せてから具をかける。
 
①   
の場合も②の場合も

煮汁を少なめにして、味を薄くしても、物足りなさを感じにくくなるので

その辺の工夫をすれば、さらに減塩効果はアップします。
 

いずれにしても

薄味になれるということは、とっても大切ですが

食べる楽しさや喜びが減ってしまうような減塩方法は

本末転倒だとおもいます。
 

食べる喜び、楽しさ、うれしさは、料理にとって絶対不可欠な要素です。
 

いかに、簡単に、誰でもできる方法でおいしく減塩するか。

それを提案できればと思っています。
 

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今日の「日めくりレシピ」は「ぶりのおろし煮」
 

脂の乗った寒ブリ。おいしいですね。

さっぱりとおろし煮にしてみました。
 

ぶりは皮目のほうをパリッと焼いてから煮ると

香ばしさがアップし、生くささももなくなりますよ。
 

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奥薗壽子で検索してみてください。

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