でいりいおくじょのBLOG

2014.12.10

みんなの家庭の医学  減塩鍋のおさらい


一人当たり2g以下の減塩鍋料理

というオファーをいただいたときは、

正直、これは絶対無理だと思いました。
 

というのも、ちょうど同じ時期におかずスープの本を作っていて

そのスープの塩分量が、大体1.5gをめどにしていたからなんです。
 

私のおかずスープは、水分量が150cc
で、塩分濃度を1%に合わせています。

これは、減塩を必要としていない、中高生でもおいしく食べられる塩分量なので

減塩スープだともう少し塩分は減らせます。
 

けれどです。
 

なべものって、スープよりもたくさん水分が必要だし

具材もたくさん入っていてるし

スープと違って、少なくとも器に2~3杯は食べるだろうし
 

なべのスープに味付けをしたなべの場合は

スープの味で具材を食べるので、確実にスープの時よりも濃い味に合わせる必要があります。
 

また、関西風に、なべの中に味をつけずにポン酢しょうゆをつけて食べるタイプの鍋物だと

自分がどれくらいポン酢しょうゆを使っているか意識しないので

結構使っている可能性はあります。
 

しかも、〆まで食べて2g以下にしてくれという注文。

めちゃ難しかったです~。
 

今回は、人気の鍋物ベスト3を減塩しましたので

順を追って、ポイントを整理したいと思います。
 

まずはキムチ鍋
 

キムチ鍋って、スープのベースにしっかり味をつけ、さらに塩分の多いキムチをたっぷり入れるので、あっという間に塩分量が上がってしまうんですよね。
 

白菜キムチは100gあたり約2.2gの塩分を含んでいるので、

今回の鍋では100g程度しか使えません。

その少ないキムチのうまみを、いかに効果的に使うかが、

減塩キムチ鍋の最大のポイントです。
 

ふつうは、白菜キムチを最初から入れて、塩分やうまみを利用してスープをおいしくしていくと思うんですけど

今回は、逆転の発想。

わざと一番最後に入れて、白菜キムチを煮こまないのがコツ。
 

その代わり、アサリや昆布、トマト、豚肉な度のうまみを何層にも重ねてベースを作ります。

塩分を少なくするときは、ただ少なくするだけではたんに味が薄くなるだけなので

塩分を少なくしたら、その分うまみを多くする

これ、おいしく減塩するための基本です。
 

そうして、何重にもうまみを掛け合わせたところで

最後に白菜キムチ。

ここが最大のポイント。
 

白菜キムチを最後に入れることで、白菜キムチの味は若干はスープに溶け出しますが、

割としっかり残っています。

そうすると、口に入れたとき、白菜キムチのしっかりした味を舌が感じるので

他のものにそれほど味がついていなくても、しっかり味が入っているような錯覚を起こすのです。
 

事実スープには、アサリとほんの少しの醤油しか入っていないので

うまみは多いけれど、味は薄いです。

しっかり味のキムチで、舌をうまくだましたというわけです。
 

味を全体に均一につけるのではなく、濃い部分と薄い部分と

まばらに味をつけることで、全体として塩分量を減らしつつ

舌は、味の濃い部分に反応するので、意外に簡単にだませるのです。
 

次は豆乳鍋。
 

鶏だんごは、最初にしょうゆでねぎのみじん切りをモミモミしてから鶏ひき肉を混ぜるのが最初のポイントです。
 

これは、ネギのねばねばを引き出してからひき肉に混ぜると、ふんわりとやわらかい肉団子になるのと

ねぎの香りが口に広がるので、薄味でもおいしいと感じることができます。
 

この鍋も水分をぎりぎりまで減らし

その分きのこと白菜をたっぷりと入れて蒸し煮にすること

ここが最大の減塩ポイントです。
 

白菜は、95%が水分で

しかも、野菜の中でもグルタミン酸といううまみ成分を豊富に含んでいます。

キノコもグアニル酸などのうまみ成分がたっぷり。

それらを蒸し煮にして水分を引き出し、

それを出し代わりにしたというわけです。
 

豆乳は、無調整のものがおすすめです。

調整豆乳は鍋に使うと分離しにくいので、使い勝手はいいのですが

調整豆乳には塩分が含まれているし、豆乳のこくやうまみという点では無調整のもののほうが上だと思うからです。
 

豆乳は、最後に入れるのも大事なポイント

これは減塩鍋だからというわけではなくて、

最初から豆乳を入れてぐつぐつ煮ると、

どんどん豆乳が分離してもらもらになってくるのです。
 

味付けは一番最後、というのはキムチ鍋と同じ。

最初から調味料を入れると、厚揚げや野菜がどんどん塩分を吸ってしまうので(いわゆる味が染みている状態)

その分塩分が余分に必要になります。

最後に入れて、具材の中まで味を入れず、表面だけに味をからめるほうが

効果的に塩分を感じることができるのです。
 

この鍋には減塩ポイントがもう一つありました。
 

〆の麺。
 

うどんやラーメンを入れると、麺に含まれる塩分も一緒に取ることになるので

塩分を含んでいないものを〆にするのがおすすめ。
 

ごはんやもちなどは塩分ゼロです。

麺類の中ではスパゲテイーが塩分ゼロです。

あらかじめゆでておくと、適度に伸びて、ちゃんぽん麺のようになるので

ラーメン感覚で〆を食べるのにはおすすめですよ。
 

最後に、鶏ときのこのちゃんこ鍋
 

最初の2つは、なべの中に味をつけるタイプの鍋でしたが

ちゃんこ鍋は、つけだれで食べるタイプの鍋です。
 

一見つけだれで食べるほうが、減塩しやすいように思いますが

案外、ポン酢をどんどん足していたりしませんか?
 

ポン酢しょうゆ大さじ1で、塩分量が約1.9g

一回の鍋物で、大さじ1しかポン酢しょうゆを使わないなんてことあります?

お変わりして、継ぎ足したら、当然、結構な塩分を摂取していることになります。
 

そこで、ここで提案したいことは

つけだれではなくて、かけだれにすること。
 

つけだれだと、お鍋の中のものをよそう時、スープも一緒に入るので、

最初に入れたポン酢がどんどん薄くなってくるでしょ?
 

なので、発想の転換。
 

自分の器にポン酢を先に入れおくのではなくて、具を入れてからたれをかける。

これがかけだれ。
 

このやり方だと、たれが薄くならず、濃いたれをほんの少しかけることで

舌に直接たれの味を感じることができるから、これもまた舌がだまされるんです。

ああ、濃い味だなって。
 

更に、カボスなどの酸味や七味トウガラシなどの辛みをさらに、かけることで

舌がだまされて、おいしく感じることになります。
 

番組で紹介した”だし醤油”は普段の料理のかけ醤油としても使えるので

多めに作っておくといいですよ。

冷蔵庫に入れれば、1週間くらいは全然大丈夫です。
 

ということで、今回の減塩鍋
 

減塩ポイントとして盛りだくさんでしたが

普段の別の料理にも、応用できることも多かったと思いますので

一つでも、二つでも、実行していただければ嬉しく思います。
 

減塩料理って、

おいしくないのを我慢したり、

そのことで、食欲が落ちたり、食べることが楽しくなくなったりしたら、本末転倒です。
 

作る人も、あなたのためを思って薄味にしてあげているのよ

なんて、減塩料理を強制するのも、また本末転倒です。
 

おいしく、楽しく食べて、みんなが元気に暮らす、そのための減塩でなければならないと思うのです。
 

強制ではなく共生。
 

そんな減塩料理を、提案できればいいなと思っています。
 

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今日の日めくりレシピは 「ねぎ豚ごはん」

たっぷりネギがぺろりと食べられちゃう、簡単混ぜご飯です。

ここでも、ご飯全体に味をつけるのではなく

具のほうだけに味付けをすることで

調味料を減らすことができますよ。
 

「日めくりレシピ」はツイッターでも毎日お知らせしています。

奥薗壽子で検索してみてくださいね。
 

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