家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
昨日は、奥薗家の食卓のカオス状態について書いてしまったのですが
本当は、料理の色どりについて書こうと思っていたのです。
トマト煮の仕上げにかけたパセリのこと。
以前は、私料理の仕上げのパセリって
あえてかけなかった時期があったんです、私。
というのも、家庭料理の場合、
パセリを冷蔵庫に常備している家がどれくらいあるのか
少なくとも、うちの家にはないぞーって、思っていて
あの当時
私自身、子育てやら家事やら、仕事やらで
とにかく忙しく
子供たちにきちんとご飯を食べさせることで精いっぱいで
仕上げのパセリなんぞにこだわっていては、前に進めない!!って思っていたんです。
確かに、料理はエサとは違うんだから
見た目も大事、見た目も味のうちって、思いますよ。
でも、パセリがなくっても、別においしさが半減するわけじゃない。
少なくとも、私が作るトマト煮に関しては。
‥‥って思ってたんです。
でもね、最近思うんですよ。
私がパセリなんかいらないーって思っていた頃と今とでは
なんか、料理に対する価値観が変わってきたかもって。
私じゃなくて、世の中のね。
つまり、あの頃は、
家庭料理といえば、閉ざされた世界で
じぶんたち家族が、満足できていればよかったってところがあったんだけど
今は、ツイッターやら、インスタグラムやら、フェイスブックやら
家庭料理が外に向かって開かれている気がして
(いや、もちろん開いていない人もいるし、それはそれでいいのだけれど)
そうなると、パセリを振るとか、香菜をのせるとか
ランチョンマットをひくとか
きれいな器に盛るとか
そういうことが、一昔前より普通の家庭の中に入り込んできている気がしています。
それは、たぶん日常ではないけど、非日常でもなく
ちょっと、お化粧をして、ちょっとイヤリングをつけてみるような感じかな。
そう思うと、料理の楽しみ方、料理の可能性が
SNSによって、ずいぶん広がりましたね。
だから最近は、普段のおかずにもパセリを振ってみたりするわけです。
そうするとね、
なんかちょっとテンション上がるんです。
たったそれだけのことで。
自分たちだけで食べるんだけど、誰かに見せたくなる気持ち、わかるなあ。
子育てが忙しかった、あの頃の私は、こんな心の余裕がなかったけど
パセリを振ったり、ちょっといいグラスでお茶を飲んだりしてみてもよかったんじゃないかなっておもう。
あの頃の私を今の時代に連れてきてあげたいなと思う。
コメント
先生、おはようございます。
あの頃の自分を今の時代に連れてきてあげたいだなんで、なんとも優しいですね。
ほんわかしますね。
先生の絵のタッチも優しくて柔らかくて好きです。
何で掛かれているのですか?。
青ネギのグリーンが鮮やかですね。
料理は五感で楽しみたいから、彩も大事にしたいですね。
私も小ネギの小口切り、常備しています☺。
先生、今日も1日健やかにq(^-^q)。