でいりいおくじょのBLOG

2014.10.04

大学芋は揚げずに作れるか

サツマイモのおいしい季節になりましたね。

サツマイモといえば焼き芋!!

私も大好物です。

でも今回は、焼き芋ではなく大学芋のはなしです。
 

中華料理のデザートにサツマイモのあめがけというのがあります。
 

サツマイモにたっぷりのあめがからまっていて
 

サツマイモを取ると、そのあめがひゅーっと糸を引く
 

それを水に浸けてパリッとさせて食べる、あれ。
 
 
 

あれは中国語で抜糸(本当の字は糸が二つ)と言って
 

あめの煮詰め方によって、
 

煮詰め方が浅いのを銀糸、カラメルのように少し焦がしたのを金糸というんですね
 
 
 

大学芋の発祥の由来は、諸説あって、その抜糸が起源だという説もあるけど
 

いずれにしても同じような作り方なのに、
 

抜糸というお菓子だと、いかにもプロの料理人が作る感じがするのに対し
 

大学芋というとうんと庶民的で
 

おうちで作れるおやつって感じがするのが、おもしろいなと思います。
 
 
 

さて、この大学芋と中華料理の抜糸との決定的な違いは、最後にかけるあめの硬さです。
 

抜糸は、パリパリのあめなのに対して
 

大学芋は、とろとろのみつ。
 
 
 

さらに、抜糸はあめがパリパリなので、サツマイモの揚げ方もカリッと香ばしく上げる必要がある。
 

けれど大学芋のほう、みつがトロトロなので、サツマイモの表面がかりっとしている必要はない。
 
 
 

そう考えていくと、大学芋の場合、サツマイモを揚げる必要はないのではないか
 

という、結論になってしまう。
 
 
 

それで、早速やってみました、
 

サツマイモを乱切して蒸し焼きにし
 

柔らかくなったところで、みつをからめる。
 

(さつまいもは、電子レンジ加熱は絶対NGです。サツマイモのでんぷんを糖にかえる酵素は65~75度の間で働くので、電子レンジではうまく等に変わらないため、甘みが出ません、しかも水分が飛ぶ)
 
 
 

なるほど、これでばっちりできるやん!!と思ったのもつかの間
 

このやり方では、サツマイモがみつをどんどん吸ってしまい
 

サツマイモの甘煮みたいになってしまうんです。
 
 
 

確かに、サツマイモを煮ると、サツマイモが煮汁をみるみる吸いますよね。
 

う~ん、世の中、そんなに甘くなかった。
 
 
 

そうか、サツマイモを揚げる理由は、サツマイモを柔らかくすると同時に
 

断面をかりっとさせることで、みつを吸いにくくさせていたんだ。
 
 
 

そうなると、やっぱり揚げるしかないのか
 

でも、揚げる手間がめんどくさいわけなのだから
 

揚げずに作れたら、きっともっとおうちで気楽に大学芋が作れるはず。
 
 
 

ある時、海外の料理番組を見ていたら
 

イタリア人シェフがサツマイモを料理するのに、天板にサツマイモを並べて、
 

その上から、オリーブオイルをかけてオーブンで焼いていたんですね。
 
 
 

それを見たとき、ぴんときたんです。
 

揚げるのがめんどくさければ、オイルで焼けばいいじゃないかと。
 
 
 

フライパンにオイルを入れてサツマイモをさっと炒め、ふたをして蒸し焼き。
 

これで焼き芋になります。
 

時々返しながら、じっくり焼いていく。
 
 
 

これだと表面もカリッとなって、香ばしくなり、うまくいくのですが
 

一つ欠点があるとしたら、時間がかかる。
 
 
 

そこで、水を入れて、蒸し焼きにすることにしました。
 

これだど、蒸気の力で、5分ほどで柔らかくなるので、うんと手軽なのですが
 

蒸しイモなので、表面が柔らかい。
 

そこで、再度オイルを入れて、表面を焼き付けるわけです。
 
 
 

まあ、ここは迷うところで、水を入れずにじっくり焼いたほうが、確実に美味しいけど時間がかかる。
 

水を入れると早く火が通るけれど、表面が柔らかくなるため、再度脂を入れて焼きつけなければならない。
 
 
 

いずれにしても、こうやって表面をかりっと焼き上げたら
 

最後は、いよいよみつです。
 
 
 

中華の抜糸は、カリッとした雨にするためにたっぷりの砂糖を使うのですが
 

大学芋の場合、パリパリのあめにならないようにするために、
 

私は砂糖と蜂蜜、半々で作ります。
 
 
 

この時、砂糖を溶かすとき、スプーン等でぐるぐるかき混ぜないのがコツです。
 

かきまぜると砂糖が結晶化してじゃりじゃりになってしまうんですね。
 

それを防ぐために、砂糖を溶かすとき、水の代わりに酢を加えると結晶化するのを防げるので
 

砂糖だけで作るときは、水ではなく酢を少し入れて溶かすほうがいいですよ。
 

砂糖とはちみつを半々にした場合は、砂糖だけよりもうんと溶けやすいし作りやすくなるので、水でも大丈夫です。
 
 
 

砂糖とはちみつが溶けて細かい泡がワーッと出てきたら、30秒~1分くらい煮詰めて、最後にしょうゆをちょっと入れるのがポイントです。
 
 
 

この醤油のおかげで、何とも言えない昭和の家庭のおやつの味になるのです。
 
 
 

そして、最後に忘れてはならないのが黒ゴマ
 

大学芋には、やっぱり黒ゴマがなくっちゃね。
 
 
 

と、いうことで、ちょっと長くなってしまいましたが
 

今回の結論
 
 
 

大学芋は、揚げなくても作れる。
 

ポイントは、芋の断面をオイルで焼き付けてパリッとさせること。
 
 
 

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