でいりいおくじょのBLOG

2021.03.03

読書日記「コンジュジ」

笑いの世界で、第7世代とか第8世代とかと言われていますが

お笑いだけではなく

あらゆるジャンルで、世代交代は進んでいる気がしますねえ。

 

例えば、今年の芥川賞も

候補作を書かれた作家さん、皆さんものすごく若い。

 

先日読んだ“推し燃ゆ”もそうなんだけれど

取り上げるテーマも、感性も

なんか、ものすごく新しい感じがします。

 

そんなわけで、ほかの候補作も読んでみたくなりました。

 

「コンジュジ」(木崎みつ子著 集英社)

 

そもそも、この本を手に取ったのは

インスタか何かで

#読書好きな人とつながりたい

で、上っていたのを、たまたま見かけたからで

 

家庭的に恵まれない女の子が

憧れのロックスターを心のよりどころとして生きていく

みたいな話だと思い

 

それなら”推し燃え”とちょっと通じるとこがあるなあ

なんて、軽い気持ちで読み始めたのでした。

 

ところが、ところが、

全然違う。

 

この本のテーマは#性虐待“

かなり、重い話です。

 

どうしようもない、メンヘラ暴力男の父親(二度自殺未遂)との悲惨な暮らし。

 

逃れたくても逃れられない状況の中で

妄想を心のよりどころとする。

 

憧れのミュージシャンの恋人になり、

楽しい時間を過ごしている時間を妄想することで

現実から逃避し

生きる希望を見出す

そんな女の子(最終的には大人の女性になる)の話。

 

テーマが重すぎて

安易にストーリーも、感想も書けそうにありません。

 

この本を読んだ後、作者のインタビューを読んでみると

このテーマで書こうと決めてから

4年間もかけなかったそうな。

 

安易にこのテーマを選ばなかったか

これを書くことで、誰かを傷つけないか

自問自答を繰り返し、かなり苦しまれたようです。

 

悲惨な現実から逃げるための手段として

妄想の中で、あこがれのスタート付き合い

憧れのスターと暮らす。

 

一見、それって、何にも現実は変わらないのでは・・と思うけれど

その妄想の中だけでも、救われたのだとしたら

それだけでも、よかったんだとは思う。

 

けれど、もっとできることはなかったのか。

 

手を差し伸べることはできなかったのかと思うけれど

それもまた、容易な事ではない。

 

かなり衝撃的な本です。

 

精神的に元気な時でないと

読み手もちょっと心がやられそうになる

読むのが、かなりきつくなってくる…そんな本。

 

けれど、この本に込めた作者の想いは、確実に伝わったし

小説としての完成度もすごい。

 

芥川賞に選べらてもおかしくないほどの小説でした。

 

 

2021年3月2日コンジュジ

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