でいりいおくじょのBLOG

2021.06.29

読書日記「夢幻花」

朝顔って小学生に育てたぐらいで

そんなに朝顔には興味なかったんだけれど

 

たまたまうちの近所に朝顔をものすごく上手に育てておられるおうちがあって

去年、虎之助の散歩のたびに見ているうちに

朝顔がどんどん好きになっていき

 

とうとう、朝顔についてネットで調べるようになって

“江戸風情”という品種を知りました。

 

“江戸風情”は

朝は青い花を咲かせるのだけれど、夕方になるとそれがピンク色に変わるそうな。

 

江戸時代、江戸っ子の間では、朝顔は人気だったようで

日本古来の品種がいろいろあって

“江戸風情”もそれを復活させた品種だそう。

 

こうなると、もう育ててみたくて見たくて仕方なくなり

ネットで注文

ちょっとトラブルはあったんだけれど、無事、土曜日に植え付け完了し

今、育つのを楽しみにしているところです。

 

上手に育てられるか心配なんだけれど

とりあえず、ドキドキわくわくしています。

 

で、

ああ、そういえば、東野圭吾さんの小説に

黄色い朝顔を題材にしたミステリーがあったことをふと思い出し

 

さっそく読んでみたのがこの本です。

 

「夢幻花」(東野圭吾著 PHP文芸文庫)

 

朝顔の色素は

赤と青しかなく

黄色い朝顔は散在しないといわれているそう。

 

ところが、実際は、江戸時代、朝顔栽培が盛んにおこなわれていた時代

黄色い朝顔は存在したそうな。

 

その黄色い朝顔を咲かせることに成功した

秋山周治が、

ある日何者かに殺されるところから話が始まります。。

 

孫娘の梨乃が、黄色い朝顔がなくなっていることに気づくのだけれど

警察は、そのことを問題視してくれない。

 

通り魔殺人

朝顔市

いとこの自殺

警察庁の謎の行動。

 

中学際の淡い初恋と

家庭問題

 

個人的な理由から

どうしても犯人を捕まえたい刑事

 

一見、いろんなところで

ばらばらに事が進行し

それぞれの個人的な事情が、浮き彫りになってくるのに

それらが、なかなか結び付いていかない

 

結びつかないのだけれど

それを捜査している人物の存在により

何かが、どこかでつながっているという予感だけが迫ってくる。

 

この辺が、東野圭吾作品だわあって感じ。

 

もやもやしつつ

じわじわ迫ってくる感じ。

 

存在しないといわれている朝顔を

なぜ、秋山周治が育てていたのか

 

消えた、その黄色い朝顔はどこに行ったのか

 

そして、なぜ、殺されなければならなかったのか

 

疑問は、もやもやしたまま後半まで続き

そして、最後の最後に

ワーッと、見事につながっていきます。

 

パチパチパチ。

 

お見事!!!

 

あちこちで、いろんなことが起こりますが

全体的には、複雑な引っ掛けなどはないので

さくさくと一気に読めます。

 

朝顔に、そんな一面があったのかと驚きです。

朝顔の時期に、読むのがおすすめです。

 

2021年6月28日本

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