でいりいおくじょのBLOG

2021.08.02

読書日記「弱さのちから」

100分で名著という大好きな番組があって

その番組で、様々な本を解説してくださる大好きな先生が

若松英輔先生。

 

「代表的日本人」(内村鑑三著)

「生きがいについて」(神谷恵美子著)

「苦界浄土」(石牟礼道子著)

「善の研究」(西田幾多郎著)

 

など、

自分一人では絶対に読み解けない本を

わかり易く解説してくださり

分からないなりに、心にいろんなことを感じさせてくださる

本当にありがたい先生です。

 

最近、若松先生のツイッターを見つけてフォローして

先生の書かれたものなどを読ませていただくようになりました。

 

そんな中で見つけた先生のご著書。

 

「弱さのちから」(若松英輔著 亜紀書房)

 

若松先生の言葉は、とにかく優しいのです。

 

わかり易いという意味でもありますが

心にしみるんです。

 

読んでいると

よしよし、大丈夫ですよ。

って言ってもらっている気がして、すごく心が落ち着きます。

 

タイトルの「弱さのちから」というのは

「弱さ」の中にも力が残っているという意味ではなく

「弱さ」から生まれる力こそ、何かを変えられるという意味だそうです。

 

私の大好きな茨木のり子さんの「汲む」という詩の一説

 

***********************

頼りない生牡蠣のような感受性

それらを鍛える必要は少しもなかったのだな

 

あらゆる仕事、いい仕事の核には、震える弱いアンテナが隠されている

************************

 

私の大好きな、この一節に通じるものを、この本の中に感じました。

 

 

 

以前から、でいりいおくじょのに書いていることなんですが

こう見えて、私すごく小心で

レシピを発表するときは、いつもドキドキしています。

 

Youtubeを始めてから

ますます、小心で臆病になっていて

アップする前は、本当にドキドキが止まりません。

 

(いい大人が、こんなことを書くのも情けない話ですが)

 

何回も試作していて

大丈夫だと自分で思って

世に送り出しているはずなのに

送り出した途端、

自分の思いを本当にきちんと発信しただろうか

作ってみたいと思って下さるだろうか

じっさいにつくってくれるだろうか

いろんな思いが交錯して不安になるんです。

(こんなに小心なのに、レシピをかき出すときに、間違ったりもする・嗚呼・・)

 

SNSの時代になって

 

いろんな情報は

より刺激的に、より目立つように

より強い言葉で、よりインパクトがあるように

という風に、エスカレートしている気がします。

 

強い言葉が氾濫していて

それに、日々圧倒されて

私はますます、おどおどしているのです。

 

強くないと、消えてしまう不安

めちゃ分かるけど

そんな強い言葉を使ってしまったら

私は、切りつける刃で自分で自分を傷つける気がして

また、更に心が震える。

 

また、強い言葉を発したからと言って

自分が強くなるわけでもないし

逆に、どんどん自信を無くすことにもなると、私には思える。

 

強い言葉は、魔物です。

 

そんな、心細さの中で

茨木のり子さんの詩の言葉をお守りの様に口ずさんで、

自分に大丈夫大丈夫と言い聞かせています。

 

この本に書かかれている若松先生の言葉には

茨木のり子さんの詩に通じるものがあり、

同じような優しさと強さを感じて、励まされます。

 

弱さを治す必要はなく

弱いままで、前に進むことの中に、真の強さがある

その強さにこそ、何かを変えるエネルギーがある

 

大切なのは

弱い自分から逃げないで

ちゃんと向き合う事

 

むやみに強がったりせずに

傷ついたり、おびえたりしている自分から目をそらさないこと

ということを教えてくださいました。

 

弱いままでいい

おどおどしたままでいい。

 

今、私がやるべきことは

いかに、日々の暮らしの中で料理を作っている人に寄り添えるか

 

その寄り添うために

弱さと臆病さが必要なんだと

若松先生が教えて下さいました。

 

とてもいい本でした。

 

本当におすすめです。

2021年8月1日本

コメント

  1. へいこ より:

    私もここ数年、この番組は欠かさず見ています。若松先生、本当に優しい語り口ですよね。
    この番組でフランケンシュタインが紹介されていて、フランケンシュタインというのは怪物を作った
    博士の名前で、怪物には名前がないということを初めて知りました。何の知識もなかったので、
    この番組でフランケンシュタインの生い立ち?や苦しみを知り、本も読みました。すごく良かったです。

    毎回見ていて思うのは、指南役の知識人が伊集院さんの洞察力や表現力に感心すること。
    たとえ方とか、本当にユニークですよね。

    1. 奥薗壽子 より:

      若松先生の話し方が本当に大好きで
      毎回癒されつつ、深くいろんなことを考えさせてもらっています。
      そして、伊集院光さんも、私は大好きで
      例え方とか、返答の切り返し方とか、本当に素晴らしいですね。
      伊集院さん、すごいです。

  2. にゃんこ より:

    奥薗先生お久しぶりです😊すみません!何のことやらわかりませんね?先生のレシピを拝見するの15,6年ぶりです。その間も土鍋料理とかマグロの漬けとかミニアメリカンドッグとか日々の料理からおやつまで先生のレシピにお世話になっておりました。いつもそのレシピを繰り返し作りながら先生の優しさを感じていました。先生の優しさは、一読者にも一視聴者にも“寄り添う”この気持ちの原点からなのだと改めて感じて感動致しました。これからもYouTube動画も閲覧させて頂き陰ながら応援させて頂きます。よろしくお願いします🙇‍♀️⤵️

    1. 奥薗壽子 より:

      うれしいコメント、ありがとうございます。
      今日もまた、ドキドキしながらアップしました。
      伝わっていると思えることが、何よりの励みになります。感謝感謝です。

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