でいりいおくじょのBLOG

2012.02.19

食品と安全シンポジウム

昨日は
『放射線と向き合う~食品と安全』
というシンポジウムに行って来ました。
この手の情報は
やはり必要最低限知っておく必要がある常々思っていたけれど
安全とか安心とかの基準は人それぞれのものなので
私の基準を他の人に押し付ける気もなければ
私の基準で、なにかわかったようなことを言うのも違うなと思っていて
 
自分の中できちんとした基準を持つために情報を得て
きちんと自分で判断できればいいわけで
 
みんなが同じ基準で物事を考える必要なないと思って来ました。
 
今回のこのシンポジウムでは
基調講演として大分県立看護科学大学教授の甲斐倫明先生がお話になり
 
そのお話を聞いた後も
やっぱり、自分の思っていることで間違ってないような気がしました。
 
つまり、
何をもって安心とするか
何をもって安全とするか
 
それは突き詰めて行っても、限りなくグレーでしかなく
暫定基準値というのも
あくまで基準であり
グレーが白になるわけではないと。
 
そのグレーの部分を白に近いグレーだと思うか
黒に近いグレーと見るか
これはもう個人の価値観にでしかないと。
 
この基調講演の後
『横浜の子供たちを放射能から守る会』の代表による活動報告や
『大地を守る会』放射能対策担当のお話や
『福島市農林水産部農林水産課』の取り組みの話があって
 
最後は皆さんを交えてパネルディスカッション。
 
つまり、科学者と消費者、流通、生産者
というそれぞれの立場からの取り組みと現状をうかがい
そして、それぞれの立場での意見に基づいたディスカッションを伺うという進行でした。
 
放射能の市民測定所が、こんなにたくさんあるのかということにまず驚き
 
食品流通に関しては
その安全基準というものを、それぞれの流通業者が独自で行うのではなく
(現状はバラバラ)
横につながることによって、統一の基準(例えば測定方法とか)をつくり
消費者にもっとわかりやすく伝わるように連携を進められている話には
たしかにそうなれば、もっと自分の基準を持ちやすくなるなあと思ったり
 
またいわき農産物見える化プロジャクトのお話では
当初、いわき市の農産物の検査結果を公表することについて
公表することで、ますます買ってもらえなくなるのではないかというリスクがあったけれど
それでも公表することで、信頼関係を取り戻したいとすすめられたという話には
安全とか安心とかというのは数値の問題だけではなく
そこには信頼関係が絶対必要であり
いわき市のこの勇気あり取り組みに対して敬意を表すると共に
これからは、公表することがスタートラインになって
その数字を受け入れるか受け入れないかを消費者が決めていくよくというような
そういう価値観の流れに変わっていくのかもなあ、と思ったりしました。
 
最近
『「安全な食べ物」ってなんだろう?』
(日本評論社 畝山智香子著)
 
という本を読んだんですが
著者の畝山氏は国立食品衛生研究所安全情報部第三室長、という方で
言ってみればリスク分析と管理のプロ。
 
この本については、またいずれ書きたいと思っているのですが
 
この本の中でも
リスクの受容度は科学だけで決められることではなく
政府や科学者が一方的に説明するものでもなく
消費者が一方的に要求するものでもない
 
と書かれていて
 
たしかにそのとおりだと私も思うわけで
 
だからこそ
いろんなことに動じたり、惑わされたり、意味もなく恐れたりしないように
いろんな立場の人の話を聞けたことが
とても有難かったなと思ったのでした。

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