家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
珍しい乾物をもらった。
私も乾物に関してはかなりマニアックな方なので
特産的な乾物も、結構知ってると思ってたんだけれど
いやいや、まだまだ知らないこと、いっぱいあります。
もらったのは
くきたち干し
ひょう干し
干し茄子
干し茄子はずーっと前に茄子のハウス栽培を見学させてもらったことがあって
ハウスの中って冬でも真夏みたいな暑さになるんですよね。
それで、その熱がもったいないって言うんで
茄子を育ててる横で、干し茄子を作っていて
それを料理したことがあったので知ってました。
(いや、この茄子は夏に収穫したものを干したものだと思うけど)
でも、残りのくきたち干しとひょう干しって何?
こういうときネットは便利ですね
すぐに分かっちゃう。
くきたち干しって、菜の花のトウの立ったのをサッと茹でて干したもので
ひょう干しは、スベリヒユという植物を干したものらしい。
とりあえず、そこに書かれているとおり料理してみよう。
どれから料理しようか迷ったけれど
とりあえず、くきたち干しから
菜の花の乾物っていうのが、なんとなくへえ~って感じで
よく見ると、
カラカラになっている葉っぱと茎の中に、
元は花であったに違いないというものが混ざっている。
こんなことを書くとひんしゅくを買うかもしれないけれど
あまりにもからからすぎて、一見お茶みたいに見える。
何も知らずに、これを渡されたら、お湯を注いで飲んじゃいそう。
鍋に、そのくきたち干しを入れてひたひたに水を入れて火にかけ
沸騰したらそのまま冷めるまで置く。
私、その過程で、めちゃめちゃ感動したんだけど
あんなにからからで茶色かった乾物が
みるみる緑色になって、まるでフレッシュなナッパみたいになったの
なんか、乾燥してたのは仮の姿で
真の姿はこれだったのよって感じ。
戻ったものをちょっと食べてみたら
全然乾物っぽくなくって
しっとり柔らかで、生の葉っぱを今ゆがいたみたいな感じさえする。
この戻った茎立菜は、水気を絞ってザクザク切って
人参と一緒にちょっと炒めてから
油揚げと一緒に醤油味で煮て、最後に鰹節なんかも入れて仕上げたら
いや~おどろきましたね~、
普通に食べてる煮浸しみたい。
乾物って感じがしない。
おそらく、山形って雪が沢山ふって寒くて
だから、春とか夏の間にとれた野菜を
こんなふうに乾燥させて保存して、野菜のない冬の間に食べる知恵が
ものすごーく進んでいるんだと思うけど
切干とか干ししいたけとか高野豆腐とかって
やっぱり乾物の味わいだと思うんですよね。
干しぜんまいとか芋がらとか
ああいうのも、やっぱり乾物オーラがいっぱい出てるじゃないですか。
でも、このくきたち干しって、乾物なのに乾物オーラがなくて
普通の野菜のおひたしみたいに食べられちゃう!!
すごいね、この知恵って。
ひれ伏してしまいそうになる。
昨日の夜に煮たくきたち干し、
食べ残したのを今朝、また食べたんだけど
それがまた味がしみておいしいこと、おいしいこと。
こんな乾物が、台所の棚にいっぱいストックされていて
春を待ちながら料理する。
あの雪がいっぱい降っていた山形を思い浮かべながら
料理して食べたら、余計おいしい気がしました。
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