でいりいおくじょのBLOG

2018.07.19

京都のサバ寿司

先日の京都女子旅の時

友人がサバ寿司を買って帰りたいというので

某有名店のサバ寿司を予約してあげようかと思ったんだけれど

受け取りに行く時間がないかもということになり

京都駅の伊勢丹で買ってもらうことにしました。

 

一時、有名店のサバ寿司がめちゃめちゃ高くなっていたことがあって

私の記憶違いでなければ、たぶん1本が1万円近くしていたと思う。

京都のサバ寿司も、なかなか買いにくくなったなあと思っていたんです。

 

ところが今回デパートで見たものは

1本5千円以下。

2人前のミニサイズのだったら2500円程度。

ああ、ずいぶん買いやすくなったなあと思い

2人分の小さいのを買って帰ったわけです。

 

ところが、開けてみてびっくり。

 

全体のサイズが小さくなっていて

それはまあいいとして

昆布もなんとなく、質が落ちている感じで

それも、我慢できるとして

一番気になったのはさば

なんとも薄っぺらい。

 

京都のサバ寿司といえば、よそではお目にかかれないような肉厚のサバを使ってこその

美味しさだったはずなのに

これでは、普通のサバ寿司とそんなに変わらない感じ。

 

観光地化するということは

特徴的だったもののが、普通になって

どこかで見たような平均値に近づいていくということだとしたら

京都のサバ寿司も、そういう観光地化の波にさらされているという事なんですかね。

 

ああ、がっかりだなあ~、とその時は思ったんです。

まさか、京都のサバ寿司がこんなことになるなんてと。

 

でもちょっと待て、と違う考えがにわかに湧き上がってきて

 

もしも、高いサバ寿司しかなかったら

それがどんなにおいしいものであっても、そうそう口に入らないわけで

そうなったら、いくら京都のサバ寿司はおいしいよといっても

食べられなかったら意味がないわけで。

 

確かにさばが薄くなって

昔のサバ寿司よりは、感動も、味わいも落ちたけれど

でも、この値段になったから、京都土産にサバ寿司を買って帰ることができました

 

肉厚のサバを使い、コメにも水にもこだわった高級サバ寿司を

かたくなに作り続けておられる老舗もあるわけだから

そういうものを食べたければ、ある程度のお金を出せば、いただくことはできる。

 

けれど、その高級サバ寿司しかなかったら

サバ寿司の文化自体が廃れてしまうリスクがある。

 

いろんな選択肢があること

それが、京都という観光地を豊かにし

京都の食文化を守っていくことにつながるのかもと、改めて思いました。

 

京都のサバ寿司といっても、いろんなサバ寿司があっていい

そして、たくさんの人が京都のサバ寿司を食べて下さる方が

きっと京都にとってもいいに違いありません。

 

以前、老舗のお酢屋さんを取材させていただいた時

300年もお店が続くってすごいですねといったら

外から見たら、ずーっと伝統を守り続けてきたように見えるけれど

300年、変わらずに守り続けてきた部分と

少しずつ時代に合わせて変化させてきた部分があって

そうやって、柔軟に変化できたものだけが、長い歴史の中で残ってきた

というようなことをおっしゃっていました。

 

京都には古いものがたくさん残っていますが

残っているものがある一方で、消えてなくなっていったものもものすごくたくさんある。

残っていくために、

また、京都の伝統を守り続けるために

見えないところで様々な試行錯誤をされているのだということを

改めて思い出した私でした。

 

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昆布は取り除いて食べてください、という説明書きが入っていますが

私は、昆布もおいしいので、全部食べちゃいます。

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