でいりいおくじょのBLOG

2021.06.16

映画日記「パーソナル・ソング」

ドキュメンタリー映画を見ました。

 

「パーソナル・ソング」

 

痴呆症の患者さんに、音楽を聞かせる治療法を研究している医師の

活動を追ったドキュメンタリーです。

 

90歳の痴ほう症の女性。

過去のことも全く思い出せなくなっており、

生きる気力も失っている(様に見える)

 

ところが、装着してヘッドフォンから音楽が流れてくると

体が、リズムを刻み始め

顔に生き生きとし

あの時は、ああだった、自分はあの時あんなことをしたんだと

昔のことを楽しそうに、話始めます。

 

冒頭、こんなシーンから始まるのだけれど

ここからがもう、圧巻です。

 

音楽、すごい!!

 

こういうことがなぜ起こるかというと

痴ほう症や老化により、脳が衰えたとしても

音楽を感じる神経は別回路で

そのことにより

脳の他の機能が衰えたとしても

気力や、幸福感や、希望を引き出すは可能なんだそう。

 

それが、このドキュメンタリーの中の映像で証明されていくんです。

 

多くの人が、音楽を聴いたとたん

本当に、楽しそうな顔になり、幸せな気持ちになり

そのことで、うれしくて泣きだす人もいるくらいに。

 

この医師は

病院や療養施設の患者さんに、一人一台ヘッドフォンのセットを配ることができれば

医療費の削減を可能にしつつ、

多くの患者さんの心を救えると提唱しておられるのです。

 

このドキュメンタリーは、本当に素晴らしく

見ているだけで、こちらまで幸福になりました。

 

音楽の持つ力と可能性

私は、料理の中にも、同じような力と可能性を感じています。

 

昔聞いた音楽に心癒されるのと同じように

昔食べた味やにおいといったものの中にも

未知なる力を秘めているような気がしています。

 

懐かしい味や、においや、食感で

とてつもなく、幸せになれたりする気がするのです。

 

と同時に

手を動かして、何か、切ること、こねたり丸めたり

手で触れる事

料理しながら、変化するにおいを感じる事

 

そんなこともまた、音楽に近い、何か不思議な力がある気がしています。

 

音楽が心に響くように

料理の持つ力が、心に響くといいな。

これから私の仕事として、そういうことを思いながら

料理を伝えていけたらいいなと思いました。

 

 

2021年6月15日パーソナルソング

コメント

  1. ぷーちん より:

    早速見ました。

    若い頃、音楽療法に凄く興味を持ったことがありました。当時、日本ではあまり知られておらず、今のようにネットで調べることもできなかったので、これから音楽療法士を養成しようとしていた先駆けの方に直接電話していろいろ聞いてみました。長時間にわたり、お話しして下さいました。
    その時は、ピアノを教える仕事が忙しく、結局そのままになってしまい、時折思い出しては気になり、今に至っています。

    実は娘が大学で音楽療法の勉強をしています。このドキュメンタリーも見たと言うてました。残念なことに日本では、音楽療法士という職業は、まだまだ需要が少ないのが現実で、彼女は別の職種を考えているようです。
    海外では、需要があると聞きましたが、違うようですね。

    何を隠そう、我が家にはほぼ全介助で認知症の母(私の母親)が居ります。自分で動けないものだから、事あるごとに私を呼び、忙しくてそのままにしてると大きな声を出します。月曜から土曜まではデイサービス、リハビリに行ってくれているので助かりますが、朝晩、日曜は大変です。
    これくらいなら大した事ないだろうと思われるかも知れませんが、毎日のいろんなことが蓄積されて、ノイローゼになりそうな時もあります。ひどくなれば、施設に入ることも考えないと、と思ってたとこでした。

    あかんあかん、ピアノをやってる私こそ、無気力で笑顔の消えた母に何かしてあげられるのでは!
    気付かされました!
    母がいない時はこうやって優しい気持ちになれるのですが、帰ってくると、どうなることやろか(笑)

    記憶と五感は紐づいていますよね。

    ある曲を聴くと、雪の高野山に行った時の車の中のシーン。

    ライチの匂いは、前に乗っていた車を。必ずライチ味のガムを噛んで乗ってたから。

    極早生みかんと栗は、運動会のお弁当をみんなで食べてるシーン。

    コロッケは、流しの前に母と並び、粉、卵、パン粉をつけてるシーン。

    いろいろ思い出します。
    不思議ですね。

    奥薗さんのお料理は、心の栄養補給ですよ。もちろん身体も(笑)
    このブログもそうだし、レシピもイラストもそうだし。YouTubeも。

    奥薗さんがすごく楽しそうなんですもん!美味しそうに食べはりますもん!

    それにとらちゃんも。

    我が家ではもちろん、そらたん。
    そしてお庭のバラたちも。

    素晴らしいドキュメンタリーを教えて頂きありがとうございます。

    そうそう、一つお聞きしたいことが…
    豚ミンチのことです。
    私も良く使うのですが脂が多いので、加熱して出てきた脂はキッチンペーパーで拭き取ってます。
    赤身のミンチはどうやって手に入れるのですか?この辺りでは見かけませんが…

    1. 奥薗壽子 より:

      人生いろいろありますね。
      言葉で書くと、なんだか嘘くさくなりますが
      心穏やかでいられる方法を、見つけて下さいね。
      動物も、花も、料理も、みんな、ありがたいですね。

      ところで、豚ミンチですが
      うちの近所のスーパー(3軒あります)は、、大体豚赤みひき肉と、ギョーザなどを作る用の脂身の多いのとを
      普通に売っているんです。
      なので、当たり前に売られているのかと思いましたが
      そうではないのですね。
      スーパーで売られていないとなると
      お肉屋さんで、赤身のひき肉があるか聞いてもらうのが手っ取り早いかな。

      どこでもあると思っていました。
      勉強になりました。
      教えて下さってありがとうございます。

  2. ぷーちん より:

    帰ってきた母に、”若い頃どんな音楽聴いてた?”と尋ねると”何にも聞いてなかった”と。ドキュメンタリーのようには、行きませんね。
    心穏やかになるように、別の方面から攻めていこうと思います(笑)
    ありがとうございます。

    赤身の豚ミンチ、お肉屋さんに行って聞いてみますね!

    1. 奥薗壽子 より:

      日本人って、暮らしの中に音楽が少ないように思うんです。
      日本の古い歌謡曲、美空ひばりとか、島倉千代子とか、舟木一夫とか
      あるいは、昭和の歌声喫茶みたいなところで歌われていたような曲とか
      そのあたりだと、懐かしいんじゃないでしょうか?

  3. ママデューク より:

    ネタばれ注意‼️
    アマゾンプライムビデオにあったので、早速観てみました📺母が高齢で今は元気で頭もはっきりしていますが、認知症になった場合でも母が人生を楽しめる生き方ができるか?認知症になった母を喜ばせる事は可能なのか?という興味から観てみたいと思いました。以下は又々長いですが、観た感想です。それでは失礼致しますf@
    「パーソナル・ソング」(監督マイケル・ロサト=ベネット 78分)
    話の内容は、音楽を聴くと脳が活性化され、認知症のおじいちゃんおばあちゃんや難病患者の記憶をよび戻し、元気になって昔を語ったり、歌って踊り、人生が楽しくなるという話
    冒頭黒人のおばあちゃんが記憶を取り戻し、昔を活き活きと語るきっかけの曲が、ルイ・アームストロングの「聖者の行進」というのが、ボク的に良かった
    白人のおじいちゃんが、フランキー・ヴァリの「君の瞳に恋してる」を聴いて、目の前にいる奥さんに「愛している」と言うのが良かった
    難病の白人女性がビーチ・ボーイズの「I get around」を聴いて、普段は夫が介助しないと何もできないのに、自発的に楽しそうに踊り出すのが良かった。又この女性はビートルズの「ヘイ・ジュード」やベン・E・キングの「スタンド・パイ・ミー」も好きなのもボク的に良かった
    感情の激しい白人女性が、ダンスミュージックを聴いて、普段使わないと歩けない歩行器をほっぽって踊り出すのが良かった
    ハゲた白人のおじいちゃんが、リズムに合わせて楽しそうに身体を動かし、歌い出すのが良かった
    音楽療法で妻を介護施設に入れず、自宅で夫が介助している事例が良かった
    リズムの起源は心臓の鼓動ハートビートという話がボク的に面白かった
    アメリカでも人口逆ピラミッドの高齢化社会が問題になっているというのが勉強になった
    動物ヒーリングやこの作品の音楽療法が、効果があっても、予算や無理解でナカナカ介助の現場に受け入れられないというのが残念だった
    昔は高齢者は必要とされ尊敬されていたが、産業構造が変わり、生産性・効率を重視する産業資本主義社会の中で、人間も機械のように扱われ、古いと故障したり生産性が落ちてくるので、高齢者は不要な物、社会のお荷物として扱われるようになったという説明が一理あるとボクは思った
    全般的に
    認知症のおじいちゃんおばあちゃん達が、普段はボケてて何も分からないのに、自分の好きな音楽を聴くと、シャキッとして、歌ったり踊ったりして、人生を楽しめるというのは素晴らしいと思った
    高齢者や難病患者がただ生きてるだけ、生かされているだけより、自発的に人生を楽しめるようになる方が断然いいとボクは思った。その自発性を音楽、自分の好きな曲が目覚めさせてくれるというのがボク的にとても興味深かった。
    改めて「no music no life」と思った作品

    1. 奥薗壽子 より:

      早速見て下さって、ありがとうございます。
      歳をとって、いろんな記憶がぼろぼろと失われていくと
      人生が色あせていく感じがしてしまうのもわかる気がしますが
      それでも、体の内側には、人生を楽しむ火種は確実に残っているのだというところに、希望が持てます。
      書いてくださったように、音楽がそれを呼び起こしてくれて、自発的に楽しめるようになること、それが断然いいですね。

  4. ぷーちん より:

    積極的に聞いてなかったとしても、耳に入ってきた音楽はいろいろとあったと思います。昭和歌謡もそうですね。
    さりげなく流してみます。

    1. 奥薗壽子 より:

      子供の頃、美空ひばりさんの歌を、そんなに聞いた記憶はないんですが
      何かの拍子に耳にすると
      なんかすごく懐かしくなり、子供の頃を思い出したりします。
      そういうの、不思議だなあって思います。

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