でいりいおくじょのBLOG

2020.02.08

読書日記「成熟脳ー脳の本番は56歳から始まる」

タイトルだけで本を買ってしまうことがある。

この本は、まさにそれ。

 

「成熟脳―脳の本番は56歳から始まる」(黒川伊保子著 新潮社)

 

このタイトルを見た途端

なんですと!!!?????

って思った。

 

56歳からが本番ですと?

 

著者は人工知能研究社で

「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」の著者としても有名な方。

 

この本は、あちこちで脳について書かれたものをまとめられたもので

その中に、56歳からの脳について書かれている文章が載っている、という感じ。

一冊丸ごと全部、成熟脳について書かれているわけではありません。

 

 

前半は、人工知能についての見解が書かれていて

これはこれで面白かったですが

成熟脳について書かれた部分が、やはり興味深かったですね。

 

それによると

人の脳のピークは28歳までで

29歳から老化が始まるのですって。

28歳までの前半12年間は、子供脳として、感性記憶力が最大限に働く時期で

五感が受け取った感情の情報をそのまま丸ごと記憶していく。

 

その後は大人の脳に移行していく。

そして28歳までの間、脳は単純記憶力を最大限に働かせていく。

 

しかし記憶力はここでピークに達し、その後落ちてはいく。

記憶力は落ちていく一方で

それとは逆に、出力性能がどんどん伸びていき

それがピークに達するのが56歳。

 

そして、身体が健康でありさえすれば

ここから84歳までは、人の脳が最も使える時期に突入するんだって。

 

つまり28歳までは、覚える能力が増し

それ以降は、覚えたことをどう使うかという能力が増していくことになる。

 

これを読んで、すぐに思い浮かんだのが関ケ原の戦い

以前歴史の番組で脳科学者の中野信子さんが

関ケ原の時の家康は58歳、石田三成が41歳

この年齢について触れておられたことを思い出しました。

 

確かに、これを見ると、

家康の脳は、これまでの経験を最大限に生かせる年齢に達しているのに対し

石田三成の脳は、まだ出力性能が未完成。

 

確かに、これは家康の方が上です。

 

・・・と

ここでこれを自分に照らし合わせてみると

なんとなんとなんと、私、出力性能がピークであります。

 

確かに、自分でも思い当たることがあります。

 

去年京都検定の勉強をしていて

勉強することはものすごく楽しいんだけれど

記憶することは、ものすごく苦痛なの。

 

知らないことを知って、

あの事と、このことが、ああ、こんな風に結びつくのか~

っていう風に考えるのも楽しいし、

全然関係ないようなことが、突然頭の中で結びついて

それがどんどん、イモ蔓式につながっていくようなこともよく起こるんです。

 

それがとにかく楽しくて、昔よりもさえまくっている。

 

更に、考えたことを、頭の中で整理して伝えることも

昔よりも断然できるようになっている…と自分でも思う。

 

反対に、記憶の消え方が半端ない。

 

だんだんじわじわ薄れていくのではなく

ぼこっと、かたまりで記憶からなくなるんです。

 

でもね、そのことについても書いてあって

ぼこっと忘れるのは、脳がいらないと判断して、ぼこっと捨て去ったものだから

いらないものとして、忘れていいんだって。

 

忘れたことはいらないこと。

覚えておきたいことは楽しみながら繰り返すことだって。

それが56歳からの記憶のコツ。

 

何回も何回も同じことをやるのは

時間の無駄ではなく

自分好きな事だけを繰り返せばいいので、楽しいだけだと。

 

うん、その通りだと思う。

 

そうして、60歳を超えていくと

今度はどんどん直観力のようなものが鋭くなって

頭で考えるのではなく、感性で感じるようになるのだとか。

 

そこまで行くと、なんか楽しいなあ。

 

年を取って、自分が変化していくことが

なんだか楽しみになる本でした。

 

2020年2月7日読書日記

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