でいりいおくじょのBLOG

2021.06.21

映画日記「グリーンブック」

前から見たいと思っていた映画が

プライムになったので(やったー!!)見てみました。

 

「グリーンブック」

 

実在する天才ピアニスト、ドン・シャーリーの物語です。

 

舞台は1962年アメリカ

 

まだまだ黒人差別が激しい時代に

ドン・シャーリー(黒人)は、カーネギーホールの上に住み

アメリカ北部を中心に、演奏活動を行っていました。

 

ところが、ある時、黒人差別の激しいアメリカ南部の演奏ツアーに出かけることを決め

ツアーの移動のための運転手にやとわれたのが

イタリア人のトニー・リップ。

 

彼はもともとナイトクラブの用心棒を務めていたほど

腕っぷしが強く、口もたちます。

 

実は彼は、黒人が嫌いなのですが

運転手の仕事はお金になるので、引き受けることにするんです。

 

ここから

天才ピアニストと、粗野なイタリア人との珍道中が始まります。

 

最初は、黒人に対して差別意識を持っていたトニー・リップなのですが

ドン・シャーリーの天才的なピアノや

紳士的な人柄や

内に秘めた孤独でさびしさなどが、わかってきて

だんだん心を開いていきます。

 

ドン・シャーリーの方も、

だんだん心を開いていきます。

(実は、とっても孤独で、繊細な人だということもわかってくる)

 

この二人が、少しずつ分かりあっていくところが、

ものすごくいいです。

 

それにしても、

この時代の黒人差別は、本当にひどい!!!

 

黒人だからというだけで

レストランにも入れず、ホテルも別。

 

タイトルのグリーンブックというのは

黒人専用のホテルガイドブックのことです。

 

黒人は、いくらお金を持っていても

白人と同じホテルにもレストランにも入れず

このガイドブックに載っているホテルに行けというわけです。

 

本当に、ひどい差別。

許せません。

 

それにしても

ドン・シャーリーは、なぜ敢えて、

差別のひどい、南部のツアーに出ようと思ったのか

 

なぜ、差別され、ひどいことをされても

じっと我慢するのか

 

たぶん

自分は、黒人でありながら

天才ピアニストという肩書がある間は

表面上はひどい差別をされずにいるわけです。

 

でも金持ち連中は

表面上は、礼儀正しく黒人差別などしていない風を装っていて

素晴らしピアノを聞いている自分たちの、文化的レベルによっているのですが

心の中では、黒人を見下している

 

ドン・シャーリーは

その現実を、敢えて受け入れるために

差別のひどい南部ツアーに出かけ

差別をなくすためにできることは何かを

考えようとしたのかもしれないなあと思います。

 

トニー・リップがドン・シャーリーに

音信不通になっているお兄さんに連絡を取るように勧めるシーンがあるんだけれど

待っていてはだめだ、自分から一歩踏み出さなければだめだ

というようなことをいうんです。

 

そこは、すごくよかったです。

 

お兄さんから見たら

ドン・シャーリーは、差別されていない特別な黒人に見えているかもしれないけれど

本当は、すべて偽善であり

ドン・シャーリーも、他の黒人と同じように差別されているのです。

 

途中、本当に腹が立つこともたくさんあり

悲しくなるシーンもたくさんありますが

 

最後の終わり方は、本当に素晴らしいです。

 

最後の最後のところが、本当に泣けます。

 

ネタバレになるので書きませんが

最後の最後まで本当にいい映画でした。

 

心温まる、いい映画

おすすめです。

2021年6月20日グリーン

コメント

  1. ぶんすけ より:

    こんにちは!
    私も、この映画がプライムになっているのを発見してやったー!となった一人です。
    本当にいい映画ですよね。アカデミー賞受賞も大納得です。
    実在の人物であること、ほんとうに二人の交流があったことを知り、心があたたかくなりました。
    イタリア人特有の家族を大切にするあたたかさにジーンときたり、最後も良かったですね。
    出てくるケンタッキーフライドチキンも美味しそうでした、やはり南部料理の象徴だったんでしょうか?

    1. 奥薗壽子 より:

      やったーって思ったのは
      私だけじゃなかったのですね。うれしい。
      ずーっと、プライムにならないかなあって思ってたんです。
      イタリア人特有の、家族や隣人を大切にする感じ、よかったですねえ。
      ケンタッキー・フライド・チキン!!本当においしそうで
      シャーリーが、最少は衛生的に良くないとか言いながらも
      美味しそうに食べるところも、すごくよかったですね。

  2. ママデューク より:

    ネタばれ注意‼️
    知り合いの若い男の子から勧められたので、「グリーンブック」ちょうど観た所でした📺こんな人種差別がまかり通っていたのがつい最近というのが恐ろしかったです。今もアメリカは人種差別の問題は根深い(トランプ政権は更に人種差別の問題を根深くした。本当にバイデン政権になって良かったとボクは思う)ですが、この頃に比べるとはるかに改善している進歩しているなぁとボクは思いました。
    以下は又々長いですが観た感想です。それでは良い映画を沢山観て、良い人になって下さいね😉サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ👋足立区一のお調子者f@
    「グリーンブック」(監督ピーター・ファレリー 130分)
    話の内容は、1960年代当時のアメリカの人種差別の強い南部に黒人ピアニストがツアーに出発した時に雇った運転手兼用心棒のイタリア系白人と黒人ピアニストとの交流。
    最初家に作業に来た黒人作業員2人に奥さんが出したお茶のコップをトニーが捨てる演出を入れて、「最初は黒人嫌いだったトニーが、シャーリーとのツアーでの交流で変わっていく」という効果を強める演出が良かった(黒人作業員にバレないようにイタリア語で黒人に対する悪態をつくのも良かった)
    ケンタッキーフライドチキンのチキンを食べるトニーとシャーリーの交流が良かった(上品なシャーリーが手掴みは衛生上問題があると言いながらも食べたり、飲み終わったカップを車の窓の外に捨てたら、シャーリーがトニーに車をバックさせて拾わせる演出なんかが良かった)
    エンストで車が止まった時に、畑仕事をしていた老若男女の黒人達が、白人運転手付きのシャーリーを羨ましそうに妬ましそうに見ているという演出が印象に残った
    黒人専用のホテル・バー・トイレ、服屋やレストランでの黒人の閉め出し、黒人の夜間外出の取り締まり、バーでは黒人を理由にヤキを入れられそうになり、警官まで黒人を無碍に扱うという当時のアメリカの人種差別の酷さの描き方が良かった(それが習慣づけられていて当たり前になっているというのも怖かった)
    YMCAでシャーリーがゲイとバレるのを入れていたのは、詰め込み過ぎ、今のLGBT運動への配慮の感じがした
    ツアー中にトニーがニューヨークのイタリア系白人の仲間と会った時に、シャーリーに分からないと思い仲間達がイタリア語で黒人を侮辱していたけれど、シャーリーがトニーにイタリア語で話しかける事で、イタリア語が分かっていたと分かる演出が良かった
    黒人でも上流階級にいるシャーリーは、上流社会では白人達にもチヤホヤされるが、普段の生活では黒人差別を受け、更に黒人では例外的な上流階級である為虐げられた黒人達にもなじめず、孤独感が深いというのが良かった
    演奏シーンでは黒人行きつけのバーで、人種差別に怒りをぶつけるようなソロ演奏と他の黒人ミュージシャン達も演奏し始め楽しそうにセッションする演奏シーンが良かった
    全般的に
    もう少し色々な演奏シーンを入れたり(あまり演奏シーンに凄さを感じられなかった)、用心棒としてのトニーの活躍があっても面白かったのではないか?と個人的には思ったが、トニーがシャーリーにケンタッキーフライドチキンを手掴みで食う事を教えたり、シャーリーがトニーに奥さんへのロマンチックな手紙の書き方を教えたりとツアーでトニーとシャーリーが交流する事で黒人嫌いだったトニーが変わっていくという基本的演出も出来ていたし、当時のアメリカの人種差別の酷さも知れて勉強になったし、ナカナカ良かった。人種差別はアカン!!と改めて思った作品

    1. 奥薗壽子 より:

      この映画は本当にいい映画ですよね。
      差別とか、偏見とか
      人間の本質を見ようとしない社会が生み出したものですね。
      そんな偏見を、こんな風にきれいに飛び越えてくれるこの映画、本当に素晴らしいと思いました。

  3. しょうこ より:

    劇場公開時に観ました。
    性格もバッググランドも全く異なる二人が
    いろいろ大変な旅をしながら親友になる過程の中にいろんな気付きがあるんでしたね。
    差別される経験をトニ-はドンと同行することで体験したように思います。
    笑いの小ネタも時々あって楽しかったです。

    1. 奥薗壽子 より:

      二人が、お互いに少しずつ心を開いていくところが
      なんとも言えず、いいんですよね。
      お互いに、人間としてのすばらしさを認め合っていく感じ。
      それは、肌の色がどうとか、お金があるとかないとか、教養があるとかないとか
      そういう、型にはまった価値観じゃなくて
      その人の、本質的な価値を、きちんと理解して、受け入れていく感じ
      そういうことが、社会の中で大切だなあって思います。

  4. 野ばら より:

    遅ればせながら、ケーブルTVの映画チャンネルで昨日放映されたので観てみました。
    本当に素晴らしく良かったです!!
    誰かと語りたくなる映画ですね・・・(まだ観ていない夫に観せて、呑みながら語ろうか・・・?)

    最後、ドンはシャンパンを手にして、玄関の前でどんな気持ちで立っていたのだろうと思うと、もうそれだけで泣ける。
    クリスマスに孤独に過ごすことに耐えきれず、心許したトニーに会いたい気持ちと、でもトニーの家族に受け入れてもらえるかの緊張と・・・。
    終わり方ホントに良かったです。

    トニーが大きなピザを半分に折ってパクリと口にしたシーンにはびっくり!一人であんなに食べるのかいっ!

    1. 奥薗壽子 より:

      みて下さって、ありがとう!!
      最後の終わり方、本当に良かったですよね。
      人と人とが、お互いに尊敬とか、信頼で結びつい事のすばらしさを再確認できて
      泣けました。
      こんな風に、人と人とがつながっていけば、差別がなくなるのになあ
      本当に、そう思いました。
      良い映画でしたねえ~。私も語りたい・・・。

  5. しるこ より:

    テレビを買い替えて大きくなったので、プライムで映画を見ようと、先生の映画評を読んで一番にこれを見ました。もう一回見たくなるくらい良かった~~~すんごく良かったです。これからの先生の映画評を参考にどんどん見ます!

    1. 奥薗壽子 より:

      映画はいいですよね~。
      私もまた、いろいろ映画日記、アップしますね~、

  6. Amy より:

    実際にアメリカに住んでわかる差別の実態というものがあります。どちらの政党を応援しているから差別主義者だとか、そうでないとか、そんなに単純ではないですね。一体アメリカのどこに何年住んでいるから何を見てそんな記事をジャーナリストと称して書けるのか、という驚きを通り越して悲しくなるような記事もあります。白人だというだけで差別主義者扱いされている白人もいるわけで、アメリカの事情は複雑です。差別を利用する人達もいて、実際本当に救われなければいけない人たちが救われていない現実に胸が潰れそうになります。人種がどうであれ子供達には素直に、差別されないで育ってもらいたいと願っています。

    1. 奥薗壽子 より:

      コメント、ありがとうございます。
      映画で見るのと、実際にそこで暮らしておられて見える事とは、違うことがたくさんあるのだろうと思います。
      やはり、アメリカは移民の国ですし、島国の日本とは、差別の感覚が違うのかもしれませんね。
      以前、「ホワイトでイエローでちょっとブルー」という本を読んだ時
      日本で暮らしているとわからないこと、知らないことが、感じることができない現実がたくさんあることを知りました。
      また、いろいろ教えて下さい。
      ありがとうございます。

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop