でいりいおくじょのBLOG

2015.10.24

読書日記「職業としての小説家」(村上春樹著 スイッチ・パブリッシング)

話題の本です。

本屋さんで平積みになっていて気にはなっていたのだけれど

村上春樹さんの小説は

「海辺のカフカ」「1Q84」「色彩をもたない~」くらいしか読んだことがないので

果たして内容についていけるかどうか、と思い

読み始めるのに時間がかかってしまいましたが

いざ読み始めると、一気にスラスラ読めました。

村上春樹さんが、小説を書くようになられるまでの経緯と

小説を書き続けるために、どういう努力をされてきたか

小説家でい続けるために、村上さんが大切と思っておられること

小説家として、これから先のビジョンについて

というようなことを、まとめられた一冊。
 

誰でも、自分の人生を振り返れば1冊くらいは小説が書ける

と言われていますが

それから後、何年も何作も書けるかというと

それは、もう才能やら努力やら運やら、いろんなものが必要になるわけで
 

でもまあ、何かのプロになるためには

おそらく、その道の正当な道順というのがあって

その道順に沿って、きちんと歩いて、そこに到達した人と

そうじゃないルートでそこに到達した人は

到達点が一緒でも、見てきたもの、感じたもの、そこで見えているものが当然違う。
 

さらに、正当な道順で到達した人は、正当な人として生きて行けるけれど

イレギュラーなルート歩いてきた人は

やっぱり、正当な人からは異端として見られてしまう。
 

村上春樹さんは、(正直、私は詳しく知らなかったのだけれど)

後者の人なのですね。
 

でも、その異端児として見られたことが

逆に村上さんの原動力になっているかのようにも思えて

だからこそ、小説家でい続けるため(つまり、書き続けるため)に

メンタルを鍛え、体を鍛え、日々勉強と努力を惜しまず

独自のスタイルを確立され
 

自分の作品に対する賛否両論を、きちんと受け止めつつも動じず

確実に読者の心をつかんでいき

そうして、ハルキストといわれる熱烈なフアンを持つにいたるわけですね。
 

プロになるとはどういうことか

プロでい続けるために、何が必要で、どういう努力をするべきなのか

なるほどと思える本でした。
 

******************************
 

私自身、料理の世界では全くの異端児で

料理や栄養関係の学校を出ているわけではないし

調理師免許や、栄養士の免許も持っていません。
 

また、料理研究家の先生のアシスタント経験もありませんし

料理の専門家の知り合いも、コネもありません。

グルメの家で育ったわけでもなく

料理上手な母親がいるわけでもない。
 

父親が本を書いていた関係で

最初の料理本は、その出版社から出してもらえたものの

そこから先は、もう何もコネクションはなく、

本を一冊書いたくらいで、料理のプロなどとは、到底言えません。
 

だから、長い間コンプレックスの塊で

ただただ料理が好きで、子供のころから料理を作っているから

自分は料理ができるに違いないと安易に思っていただけだったので

一冊本を書いて、料理研究家になりたいと思った時点で

料理という広大な世界がちらりと見えたとたん

自分には何にもないことに気付いて

みるみる、自信を無くしていったのでした。
 

でも、今から思うと、

その自信のなさを、何とか克服しないことには

もはや料理研究家になることなんてできないと思い

その、焦りや、不安や、コンプレックスがあったおかげで

努力し、勉強し続けることができたように思います。
 

奥薗壽子のアシスタントを私自身がやれば

アシスタントの経験を積むことができると思ったし

普通の料理研究家の先生が1回試作するなら、私は3回でも4回でも試作して

料理の本、栄養の本も、雑誌、新聞に至るまで

時間の許す限り読んで勉強し

とにかく遠回りしても

その分時間や経験を積めば、同じところに到達できると信じ

そうやって毎日、ただただ無我夢中で前に進むしか

コンプレックスを克服する方法はないように思ったのでした。
 

村上春樹さんが

たくさんの本をよみ、真日規則正しく生活し

毎日毎日ノルマのように原稿用紙10枚の原稿を書いておられるのも

どこかで、正規のルートで小説家になられた方と違うからこそ

それを続けてこられたのではないかと思えたりします。
 

村上春樹さんは、最終的に文学の世界の見えないヒエラルヒーのようなものから

抜け出して、もっと大きな価値観の中でプロの小説家であり続けるために

日本を離れて、外国に住まいを移されました。
 

私は、ちっぽけな家庭料理研究家で、普通の主婦なので

もっと、スケールが小さな話でしかありません。

それでも、職業として、家庭料理研究家でいるために

努力し続けなければならないことには変わりありません。
 

料理を作り続けるために、

メンタルはもちろん、体も鍛え、健康にも気を付けて

とにかく一日でも長く料理を作り続ける努力をし続ける
 

私のように、なんの経歴も持たない人間は

表面的な経歴で判断される世界では

一生、評価されることはないと思っていますが
 

その一方で

料理研究家でい続けるために一生懸命努力していれば

それをきちんと見ていてくださる方、評価してくださる方はいるし

私の料理に対する思いは

経歴とは全く関係のないところで、きっと伝わっていくと信じているのです
 

私にとって

職業としての家庭料理研究家でい続けるために大切なことは
 

当たり前の生活を、当たり前に幸せと感じる心をどれだけ持ち続けること。

そのために

健康と、メンタルを鍛えつつ

新しいことに対するアンテナをいつも張り巡らせて

ちょっとした面白ことに笑い、

ささやかな楽しいことに心ウキウキさせながら日々暮らすことだと思っています。
 

*********************
 

長くなりましたが

今日の料理は、鍋焼きうどんです。
 

一人分の鍋焼きうどん用の土鍋に

味付けしただし(煮干しと昆布)とうどんを入れ

ぐつぐつしてきたところに、冷蔵庫にある、有り合わせの材料をどんどんのせていき

(今日は、鶏むね肉、油揚げ、小松菜、ちくわ、マイタケ、ネギ)

具材に火が通ったところで、真ん中に卵を入れるだけ
 

鍋焼きうどんというと、それだけでごちそう感がありますが

実は、冷蔵庫あるものを、適当に乗せるだけ

最後に卵を割れば、それだけで、なんとなくテンションの上がります。
 

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