でいりいおくじょのBLOG

2019.03.17

京都・真如堂の涅槃図と”はなくそ”

真如堂の涅槃図を拝見しました。

真如堂は、去年の夏、爆涼の時に行ったっきり。

 

爆涼というのは寺宝の虫干しのことで

夏にお堂の中にものすごい数の掛け軸やら宝物を並べられるんですが

その時に行くと、国宝のすごいものも、近くで見させて頂けるんです。

 

でも涅槃図は、この涅槃会の時にだけしか公開されません。

なので、この涅槃会で拝見させてもらえるのを楽しみにしていたのでした。

(後、もう一つ、円仁僧都が自ら彫られた阿弥陀様、こちらは11月15日、一日だけの公開なので、これも、今年こそは!と思っています)

 

さて、真如堂の涅槃図ですが、

極彩色というのが特徴です。

なんて色鮮やかなんだろうって、見た瞬間におどろきました。

 

江戸時代の作ということで

それほど古くないというのもあるのですが

財閥の方の援助で、高価な色絵の具を潤沢に仕えたからなのだそうです。

(かのフェルメールが使ったことで有名なラピスラズリの青もふんだんに使われています)

 

じつは、最初見た時、色鮮やかなのと同時に、ちょっと違和感のようなものを感じました。

というのも、亡くなられたお釈迦様の周りにいらっしゃる人達が

それほど悲しそうでないのです。

 

たぶん、長谷川等伯の涅槃図が頭の中にあって

つい、それと比べてしまったからだとは思うのですが、

私が思っているほど、描かれている人たちが悲しそうでない。

 

動物たちもたくさん集まってきているのだけれど

(なんと127匹も動物がいるそう、普通は80匹前後なのですごく多い)

動物たちも、それほど嘆き悲しんでいる感じがしません。

 

色鮮やかな色が、パーッと華やかなこともあって

拝見していると、

私自身もこのたくさんの人や動物の仲間になったようで

なんだか楽しくさえなってくる。

涅槃図なのに、なんで?

 

そう思って、よくよく考えてみたら

こちらの真如堂、正式名は真正極楽寺。

天台宗なので、現世の幸せを願いつつ

死んでも極楽に行けることを説いておられるのだと思い至ったのでした。

 

つまり、死ぬということは極楽に旅立たれたということで

言ってみれば、みんなでお見送りをしている図なのですね。

 

つまり、それ自体は悲しいことではなく

私たちも後からすぐに参りますから

というような思いがそこにあるのかなあと思いました。

 

考えてみたら、

昨日のお松明でも、にぎやかで暗い感じは全くしなかったですものね。

 

真如堂のご住職様が、お話をしてくださったのですが

そのなかで、生きて極楽、死んで極楽

それを願っているとおっしゃっていたのが印象的で

 

そう思って、再度、この涅槃図を拝見すると

そうか、涅槃図というのは

今、生きていることを肯定している図なのかもなあと思えてきました。

 

本当に和やかで、ほんわかした空気に包まれていて

いつまで見ていても見飽きないような、そんな涅槃図でした。

 

ちなみに等伯の涅槃図は、本法寺にあって

いつも公開されてはいるのですが、

それは複製。

本物は、この時期ではなく3月26日から4月21日までの公開です。

なので、これは改めて見に行かねばと思っているところ。

 

あっ、それから、

涅槃図を見るのが楽しみすぎて

また、あまりにも感動しすぎて

うっかり、真如堂の写真を撮るのを忘れました。

 

なので、今日の写真は、“はなくそ”

これは、この涅槃会の時にお参りをするといただけるお菓子です。

 

この“はなくそ”については、また後日。

 

真如堂はなくそ

コメント

  1. ママデューク より:

    はなくそ。花供曽の当て字がカッコいいですね?高尾山では天狗のはなくそというお菓子が売られていました?長谷川等伯。日本史で勉強した画家です。今でもそんなのが見れるんですね。京都は素晴らしいですね?はしまきは東京で見た事はありません。奥薗さんはやはり関西人。粉もんが好きなんですね?話は変わりますが、今日のシャケのお寿司も簡単で美味しそう?近所のスーパーカスミで甘塩シャケ一切れ98円になったら買って作りたいです?それでは失礼致します?それにしても奥薗さんは朝早いですね。日めくりレシピ夜にアップしてるのかなぁ?くれぐれもお身体には気をつけて。それでは失礼致します?ノブ

    1. 奥薗壽子 より:

      長谷川等伯は、私が最も好きな画家の一人なんです。
      もっとも有名な”松林図屏風”は、東京国立博物館にあるのですが、とても素晴らしい障壁画の”桜楓図”は、京都の智積院というところにあります。桜の方は息子の久蔵が描いたもので、これは、松林図屏風とは違う素晴らしさで、もうみているだけで涙が出ます。悲しさと切なさと、やさしさとさみしさと、いろんなもの、すべてそこに入っている感じ。もし、京都に行かれることがあったら、是非見てもらいたいです。

  2. ママデューク より:

    イイね‼️クレイジーケンバンド横山剣調。京都行ってみたいです。京都奈良は中学の修学旅行で一度行ったたげ?東寺の近くのホテルに泊まり、法隆寺で大仏の鼻の穴の大きさの柱の穴に入ったり、興福寺でずらっと並ぶ仏像の中阿修羅像見たのは覚えています。記憶違いかもしれませんが。しかも法隆寺や興福寺は奈良か。二条城の鶯板は京都かな?今から30年前懐かしい思い出です?それでは失礼致します?ノブ

    1. 奥薗壽子 より:

      二条城は京都です。私は二条城のすぐそばで育ちました。

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